たかこさん、こんにちは。お元気ですか?遅ればせながら、明けましておめでとうございます。今年もどうぞ宜しくお願いします!
さて今日、東京は雪が降りました。すごく寒い!パリは12月の半ばが激寒だったと、先日、東京にやってきたパリの友人が話していました。

寒いときはやっぱり映画。なんといっても、屋内娯楽の王様ですものね。
仕事で映画を見ることが多い私は、テーマが重いものを観がちなのですが、先日、めずらしく軽いタッチのラブコメディを見ました。ところが、これがすごくよかった!フランスでもすでに公開された、オドレイ・トトゥ主演の‘プライスレス’(仏題・Hors de prix)です。ところで、日本でのトトゥのイメージは、なんといっても2001年の‘アメリ’でしょうが、私は正直、この役柄では彼女の魅力をあまり感じることができませんでした。ファンタジー色が強かったことと、リアルなパリジェンヌからは程遠い印象だったので。
しかし、この映画での彼女は輝いていました。ずるくて計算高くて、したたかなフランス女。けれど、どこか情にもろくてコケティッシュな魅力でいっぱいなのです。
舞台は、フランス南西部ビアリッツ。お金持ちがいっぱいの夏のヴァカンス時、トトゥ演じる、玉の輿に命をかける女イレーヌは、お金持ちのパトロンと共に、しがないウエイター、ジャン(ガド・エルマレ)の働く高級ホテルにやってきます。
そこで、ひょんなことからジャンをお金持ちの御曹司と思いんだイレーヌが、彼と一夜を共にします。しかし、あっけなくジャンの貧乏がばれてイレーヌは新しい獲物(金持ち)を求めて彼の元を去ろうとする。
そこからマテリアル・ガール、イレーヌに惚れたジャンの涙ぐましい努力が始まります。ピンチとチャンスがテンポよくやってくる物語の展開にもぐっと引き込まれますが、それ以上に、フランスに実在する凄まじいお金持ちの世界と、一般庶民の貨幣価値との落差にめまいを起こしつつ、お金で買えるものと買えないものの対比をまざまざと見せ付けられて、気がつくと、人生の価値ってなんだ?と深いテーマに降りている自分を見つけてしまうのです。フランスの一般人に比べて、ホイホイお金を使いがちな経済社会の日本では、今、不況のあおりをくらって失業者が増えたり、若い女性でも買い物依存症などで自己破産する人が増えています。お金に対する価値観が揺らぐ中、もう一度自分にとってのお金の価値を見直す局面に来ているのじゃないか?と強く感じるのです。そんな中、この映画は、もしかしたら日本のマテリアル・ガールたちに大切なことを気づかせてくれるのじゃないか、と私はひそかに期待しています。
それにしても、たかこさんの周りに、イレーヌみたいな女の子っていますか?私は直接ではないんですが、2,3人本気で玉の輿ばかり考えているフランス人女子を知っています。実際、特別な才能を持たない一般家庭の女子が、一気にランクアップするのにはこの方法しかないかもしれない…と、イレーヌの行動を鼻で笑えない部分もありますね。イレーヌの場合、それを‘仕事’と呼ぶプロ魂がまた潔くて最高なんですけど!表面的には軽いラブコメ映画ですが、やっぱりフランス人が作るとハリウッドのそれとは違った味わいとテーマの奥深さがあって、ストレートに良い映画でした。フランス人を熟知しているたかこさんから見た、この映画の感想がぜひ聞いてみたいです。
最後に…お金なんて、と思いつつもイレーヌが‘勝負服’として劇中着ているアザロのドレスの見事さに、やっぱり「がんばって稼ごう…」と思ってしまう私。
まだまだお金に振り回されているヒヨッ子なのでしょうか?
プライスレス 素敵な恋の見つけ方 (Hors de prix)
2006年 フランス作品
監督/ピエール・サルヴァドーリ
出演/オドレイ・トトゥ、ガド・エルマレ、マリー=クリスティーヌ・アダム
©2006 LFP LES FILMS PELLEAS - FRANCE 2 CINEMA - FRANCE 3 CINEMA - TOVO FILMS - KS2 PRODUCTIONS
※日本での公開は、2008年3月8日より、シネカノン有楽町2丁目、
シネ・リーブル池袋ほか全国ロードショー。
http://www.priceless-movie.com
長谷川たかこ プロフィール
パリ在住20年の文筆家。版権エージェント・翻訳家を経て出版プロダクションを立ち上げ、フランスのバンド・デシネ(漫画)を日本に紹介。漫画家の長谷川町子は伯母にあたる。 |
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猫沢エミ プロフィール
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