一緒にご飯を食べた日は、エミさんがスズランを持ってきてくれたから、5月1日。もう3週間も経っちゃったんですね!マルセイユがすごく気に入ったというメールをもらいましたけど、今はきっとパリ・・・お元気ですか?
さて『Bienvenue chez les Ch’tis/シェティの国にようこそ』。確かに可笑しいけど、フランス映画史上最大のヒット(2000万人)になるばかりか、ちょっとした社会現象になったのは驚き。
ヒットの理由を私なりに分析してみると・・・
-すごく庶民的な話で、感情移入しやすい:
日本語でいうと“等身大”のストーリー。北フランスではなくても、地方都市の住人は多かれ少なかれパリにコンプレックスを抱いているので、共感を覚える人が多い。
-フランス人は笑いたかった:
不況だ、給料が上がらない、購買力が伸びない、と、不満の多い最近のフランス人が、単純に笑えて発散できる映画を欲していた、つまりタイミングが良かった。
-キャスティング:
左遷される郵便局長さんを演じるカッド・メラッド(写真上の右側)。マジメ可笑しいキャラがいい(この俳優、私は好きです)。もともとカッド&オリヴィエという漫才コンビ、2人とも映画に出ていて、特にカッドはシリアスな役も味がある。『Je vais bien,ne t’en fais pas/僕は元気、心配しないで』の屈折したお父さん役も良かった。
一方、監督でもあるダニー・ブーンは、ハンサムでもなくこれといって取り得もないけど、とにかく“いい人”という役柄が多い。皮肉屋でシニックなとこのあるフランス人に、この100%善人のキャラがウケるのはちょっと意外。私はちょっと鼻につきますけど・・・
さて、『シェティ・・・』のような“芸術性の低い”映画の大ヒットを憂う声もあるけど、今までボックスオフィスの上位は、格調高いフランス映画ではなく庶民的なコメディが多いです。『ブロンゼ』『キャンピング』(写真中)など、バカンスをテーマにした映画も人気。フランス人にとって一番大切な行事だけに、その失敗やハプニングに自分をダブらせることができるんですね。
『シェテイ・・・』と同じ頃に、『Randonneurs de St Tropez/サントロペのバカンス客』(写真下)が封切りになり、おバカなバカンス映画であろうと予想しつつ観に行ったら意外によかったです。
1997年にコルシカ島でのバカンス珍道中を描いてヒットした映画の2作目。男2人、女2人の主人公たちも今は40代。まじめな節約家(フィリップ・アレル、彼が監督)、快楽主義の遊び人(ヴァンサン・エルバズ)、不倫専門の女(ジェラルディヌ・ペラス)、欲求不満の固まりの人妻(カリン・ヴィアール)の4人が、南仏に2週間アパルトマンを借りてバカンスを過ごします。4人のキャラがよく描き分けられているし、「こういう人いる!」と共感できるリアルさ。南仏のバカンス時期の混雑や、この時とばかりハメを外すフランス人の実態も描かれています。
そういえば、そろそろバカンスの予定が話題の中心になりますね。
Bienvenue chez les Ch'tis
2007年 フランス作品
監督/ダニー・ブーン
出演/ダニー・ブーン、フィリップ・デュケンヌ、カッド・メラド
Camping
2006年 フランス作品
監督/ファビアン・オントニエント
出演/ジェラール・ランヴァン、マチルド・セニエ
Les Randonneurs à Saint-Tropez
2008年 フランス作品
監督/フィリップ・アレル
出演/フィリップ・アレル、ヴァンサン・エルバズ、ジェラルディヌ・ペラス、カリン・ヴィアール
長谷川たかこ プロフィール
パリ在住20年の文筆家。版権エージェント・翻訳家を経て出版プロダクションを立ち上げ、フランスのバンド・デシネ(漫画)を日本に紹介。漫画家の長谷川町子は伯母にあたる。 |
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猫沢エミ プロフィール
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