エミさん、お元気ですか?
久しぶりにご機嫌なフランス映画に出会いました。女優&監督のマイウェンの『Bal des actrices 女優たちの舞踏会』という作品。早くエミさんに観て欲しい!
マリナ・フォイス:ボトックスの注射中
メラニー・ドゥテイ:売れっ子女優に疲れた…
ジュリー・ドパルデュー:子供が欲しい!
女優&監督のマイウェン(Maïwenn)
マイウェンは、女優たちの素顔を集めたドキュメンタリーを撮ろうとします。ちょっと彩りを添えたいので、彼女たちに踊って歌わせるミュージカルシーンも挟み込もう・・・
ドキュメンタリーに登場する女優たちは:
カリン・ヴィアール(『
Paris』のパン屋の女主人):自分の活躍の舞台はハリウッド、と信じ、英語のレッスンに励んでいる。アメリカ映画のオーディションに行くけど・・・
マリナ・フォイス:今まで3枚目の役が多く、イメージチェンジを図りたい。口の脇のシワが気になり、ボトックスの注射をしている。ちょうど注射をした日にキャスティングがあった・・・
メラニー・ドゥテイ:高級ブランドの紙袋が山ほど。「私に着て欲しいって送ってくるの」そして山積みのシナリオ。「依頼が多くって・・・」と、見るからに売れっ子女優。ところがある日、すべてを捨てて遠くへ行きたくなった。
ジュリー・ドパルデュー:仕事は二の次。子供が欲しくてたまらないジュリー。何だかトーンがズレていて、すごく可笑しいキャラ。
ジャンヌ・バリバール:撮影を4本かけもち。流産4回、別れに出会い・・・神経ピリピリの毎日を乗り切るために、袋一杯の薬。精神安定剤、強壮剤・・・絶えず口に放り込む。
その他、シャルロット・ランプリング、ロマン・ボランジェ、ミュリエル・ロバンなど、女優が承諾しようがしまいがマイウェンは追いかける。
自我が強く、脆く、アグレッシヴで可愛く、泣き虫の女優たちの“素顔”を撮りながら、時に腹を立て、共感し、翻弄されるマイウェン。
疲れ果ててうちに帰れば、マッチョだけど優しいパートナー、ジョイ・スターが待っている。
・・・もうお気づきの方もいるはず。これはドキュメンタリーのふりをしたフィクション。マイウェンの描く“女優たちの素顔”が、すごく“らしい”ので、思わず信じてしまう。「よくここまで撮らせたね」と感心しては、「ジョイ・スターがダンナのわけないじゃない」と、現実とフィクションの間を行き来する不思議な感覚を味わいます。
奇抜な発想、ユーモラスな会話とテンポのいい展開。映画の中で、俳優たちが突然歌いだすのは苦手なほうなんだけど、この作品では自然で楽しい。絶対お奨め!
ところでこの映画のポスターは、ごらんのように女優たちが裸で折り重なっている大胆なものなんだけど、それを期待して観に行ったオジサンたちはがっかり。“素顔の女優たち”の比ゆ的なポスターでヌードはありません。
このポスターがメトロの構内に貼ってあったとき、男性が周りを見回して、誰も注意していないのを確かめてから、じっくり見ている光景は見ものでありました。
Bal des actrices (女優たちの舞踏会)
2009年 フランス作品
監督/マイウェン
出演/マイウェン、ジャンヌ・バリバール、ロマン・ボランジェ、ジュリー・ドパルデュー 他
長谷川たかこ プロフィール
パリ在住20年の文筆家。版権エージェント・翻訳家を経て出版プロダクションを立ち上げ、フランスのバンド・デシネ(漫画)を日本に紹介。漫画家の長谷川町子は伯母にあたる。 |
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猫沢エミ プロフィール
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