たかこさん、大変遅くなりましたが、明けましておめでとうございます!
先日、パートナーが出張でパリに行ったのですが、気温がマイナス!との前情報だったので、急ぎユニクロにてヒートテック下着を買い込み、持たせました。ヒートテックは役に立ったようですが、それでも帰国後、まんまと風邪を引いて寝込んでしまいました。パリの極寒、少しは和らいだでしょうか?
さて、話題の「Yuki et Nina‐邦題・ユキとニナ」いい映画でしたね!諏訪監督は、このシネマ往復書簡のN゜1でも少し触れた「不完全なふたり」など、日仏両方の感覚をうまく取り入れた良作を生み出していますが、今回の「Yuki et Nina」は、子供側から見た人間の不完全さをよりファンタジックに描いているなあと思いました。ファンタジック、というと、何かこう非現実的なイメージを持たれてしまうかもしれませんが、現実を際立たせるための象徴として‘森を潜りぬける’アイディアを持ってきたあたり、非常に見事ですね。それには、今回初監督&共同監督としてユキのお父さん役でも出演しているジラルドのアイディアや感性も諏訪監督に多大なる貢献をもたらしているのではないかと。
あらら…話が硬くなりましたが、私がこの映画で素晴らしいなと思ったことは、まず何よりも、ユキの両親である日仏カップルのリアルな風景(破綻寸前!きりきりいがみ合い!)
そして、それを見守りつつ自分たちにできることはないか?と必至にがんばるユキとニナ、子供たちの攻防の姿。
近年、日本ではハーフの芸能人の活躍や、国際結婚の一般化などでぼんやりと外国人の旦那様を持つことに憧れる女子が増えてきているなあと感じるのですが、実際には、異国間の感覚や常識の違いの壁など、乗り越えねばならない事も多い。それに反して、相手が同じ日本人だろうが外国人だろうが、いつの時代もどこの国でも、カップルはただの人対人であり、そのシンプルな最小単位の関係を築くこと自体がとても難しいことを、くどくどせず感覚的に見せてくれるいい映画ではないかと。
ちなみに諏訪監督は、「今作は‘不完全なふたり’を別な角度で描いた。一般的に映画の中の子供たちというのは、あくまで大人によって内面化された子供たちが描かれているが、大人の影響からまったく切り離された手法で、他者としての子供を描きたかった。」と話しています。監督の意図はあくまで子供を描く、ということにつきるのですが、大人と子供もやはり対の存在で、どちらかがきわだてば、自然と片方もきわだって見えてくるような気がします。そして、やっぱり人間はどこまでいっても不完全なものだということ。つまり、大人子供の区分けで人間の偉い偉くないは決められないなと思うのです。逆に、おかしな情報を身にまとう前の、ユキたちくらいの少女には、大人にも子供にも属さない不思議な存在の力があるなあと私は感じます。その不可思議さや説明のつかない心象風景みたいなものを‘森’に投影したのかな?と。たかこさんもおっしゃってましたけど、ほんと、‘となりのトトロ’的な感覚。これって、もしかしたらとても日本的なものなのかもしれないですね。ネコバスとか妖精は出てきませんけど(笑)。
しかし、諏訪監督はフランスに住まわれたという経歴を見たことがないんですけど、どうしてああも見事に日仏の感覚を繋ぎ合わせることができるのか?!とても難しいことだと思うんですけどね。もしかしたら、言葉もあまりできない日仏カップルが言葉によらず愛し合えちゃうあの感覚と似たものを持っているのでしょうか?!
それと、日本ではあまり情報がなかったユキの母親役の清水つゆさんの演技も光っていて、私は気になりました。彼女のことで何かご存知でしたら、ぜひ教えてください!
ユキとニナ(Yuki et Nina)
2008年 フランス作品
監督/ヒポリット・ジラルド&諏訪敦彦
出演/Noe Sampy、Arielle Moutel、Hippolyte Girardot、清水つゆ
* 日本での公開は、恵比寿ガーデンシネマ他、2010年、1月23日より全国ロードショー。
http://www.bitters.co.jp/yukinina
長谷川たかこ プロフィール
パリ在住20年の文筆家。版権エージェント・翻訳家を経て出版プロダクションを立ち上げ、フランスのバンド・デシネ(漫画)を日本に紹介。漫画家の長谷川町子は伯母にあたる。 |
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猫沢エミ プロフィール
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