パリの歴史散歩

10月のパレ・ロワイヤル

パレ・ロワイヤル公園を取り巻く回廊には、外界と違う時間が流れている。古切手や勲章のコレクションの店、古本屋、鉛の人形の店。お客が一人もない日がありそうな店が、眠ったように存続している。鹿島茂さんが、「パリ中心の一等地に、このような儲けにならない店の多いパッサージュを残しておくというには、フランス文化の豊かさの表れだ」と書かれていた(もっと格調高い文章で!)全く同感だ。東京にこんな場所があったらたちまち、ルイ・ヴィトンにブルガリにスタバ・・・六本木ヒルズの顔ぶれが並ぶだろう。もちろん眠ったような店の合間に、元気な店、最先端の店も入っている。「元気」の筆頭は、ヴィンテージの第一人者ディディエ・リュド。他店舗のウィンドウまで動員してヴィンテージドレスのエクスポをやったり、「パッサージュ起こし」に貢献している。10月からはZac Posenにスポットをあて、カルダン、山本耀司、アライヤの作品と並べて比較しているのが興味深い。ザック・ポーゼンは画家ステファン・ポーゼンの息子(といってもこの画家を私は知らない)で、NYのパーソンス・スクールでモードを勉強、2002年からコレクションを発表している。ドレープのドレスが得意で、アンジェリナ・ジョリー、デミ・ムーアなどボディ派女優が顧客だとか。コピーしているというのではなく、ヨージのシャツや、アライヤのニットドレスと確かに共通点がある。

反対側のギャルリー・ヴァロアにこの夏オープンしたのはRick Owens。しわ加工などでちょっと着古した味わいの素材が好きなオウエンス。ブティックはコンクリートうちっ放しの壁で、暗い、アンダーグラウンドな雰囲気がパッサージュに溶け込んでいる(お店が暗すぎて写真が取れなかったのは残念)。リック・オウエンスはカリフォルニア出身で、1997年から自分のコレクションを発表。3年前からパリコレを発表舞台にして、パリに仕事場も持っている。由緒ある毛皮ブランドRevillonのラインがすごくモード的になったのは彼のおかげ。2003年からクリエイティヴ・ディレクターをやっている。
毛皮といえば、同じくギャルリー・ヴァロアにあるインテリアの店で見たファーのマネキン。着るためではなく、インテリアオブジェだ。ファーコートと同じくらいの値段がついていた。

古色蒼然とした切手屋の前を通って「外界」にでると、突然馬の蹄の音。まだ頭がトリップしているのかと一瞬目を疑ったけど、憲兵隊だった。人騒がせな・・・
 
ザック・ポーゼンの作品
アライヤとポーゼンの比較
コート?オブジェ?
憲兵さんのお散歩
2 place Collette 75001 Paris
毎日8時~23時
Palais Royal (1番線)
MAP