フレンチ・野菜物語

クルジェット(ズッキーニ)



 
はじめて南仏を旅した時、太陽の恵みを受けてすくすく育った、野菜本来の美味しさに驚いた。あれから時々足を運ぶたびに、朝市に出向き、野菜や果物やハーブを観察 するのが楽しくなった。海を見わたすテラスで、南仏産のロゼワインをかたむけながら、プロヴァンス料理に舌鼓をうつ時の幸せといったら。
ナスやトマトと並んで夏野菜の代表ズッキーニ(フランスではクルジェット)は、南仏をはじめイタリアやギリシャなど、地中海料理の定番食材。ぱっと見は、巨大なきゅうりのようだけど、実はカボチャの一種で、自然の甘みとほのかな苦味が特徴。
一口にズッキーニといっても、薄緑のころんとした丸いものや、ポップな黄色が目に鮮やかなものなど、色や形はバラエティー豊か。完熟した実を食べるカボチャと違って、未熟な実を食べるズッキーニ、なんとその花びらまで食べちゃうのだ。グリルしてマリネしたり、オリーブオイルでソテーしただけのシンプルな食べ方や、夏野菜と一緒にじっくり煮込んだラタトウィユ、真ん中をくり抜いて挽肉やご飯を詰めたファルシなど、使い勝手も幅広い。なるべくツヤツヤと輝く、身がしまったものを選ぼう。食卓に地中海の風を吹き込む、色彩豊かなズッキーニ料理をぜひとも覚えたい。
【6人分】
ズッキーニ5本、ナス4~5個(フランスのお化けナスなら2個、赤か黄ピーマン大3個、玉ねぎ3個、完熟トマト5~6個、にんにく3ケ、ローリエ、タイム 塩・胡椒
1. 沸騰したお湯に、トマトを入れ皮を剥く。種を除き、粗みじん切りに。
2. ズッキーニ、ナス、赤ピーマン、玉ねぎは、それぞれ同じ大きさの角切りに切る。
3. 厚手の大鍋に、オリーブオイルをたっぷり入れ、にんにく、ズッキーニ、ナスを炒め、焼き色がついたら別の皿にとる。
4. 同じ大鍋に、今度は玉ねぎ、赤ピーマン、トマトを入れ、中火で15分ほど炒め続け、3を加える。
5. ローリエとタイムを加え、塩・胡椒。弱火にして水分がなくなるまで、1時間以上煮込む。人によっては、形がなくなるまで何時間も煮込む人もあり、お好み次第で。
  ☆個人的には、しんなり味がしみこんだ、次の日が美味しい。
【6人分】
市販のパイ生地1枚、ズッキーニ4個、ドライトマト(オリーブ漬け)3~4個、バター50g、おろしチーズ(グリュイエールやコンテなど)200g、卵2個、生クリーム200cc、プロヴァンスのハーブ、塩・胡椒
1. パイ生地を皿にしき、フォークで穴をあけ、冷蔵庫で休ませる。
2. ズッキー二を洗い、5mmくらいの厚さの輪切りにする。
3. フライパンにバターを溶かし、ズッキーニを炒め、塩・胡椒で味付け。
4. ズッキー二の水分が飛んだら火を止め、チーズを半分流し込み、静かに混ぜ合わせる。
5. パイ皿に細かく切ったドライトマトを散らし、冷ました4を入れる。
6. ボールに卵、生クリームを溶いて混ぜ合わせ、塩・胡椒、プロヴァンスのハーブで味を調える。5に流し込み、残りのチーズをまんべんなく散らし、210度のオーブンで30分ほど焼いて出来上がり。