2007/04/08
長い冬に終わりを告げて、春の訪れを感じるこの頃、待ってましたとばかりに、戸外へくりだすパリジャンやパリジェンヌたち。気の早い人は、すでにサマードレスやノースリーブに身を包み、マロニエの木の下で、運河のほとりで、公園の芝生で、春の空気を満喫している。緑がツヤツヤに輝き、日暮れが長くなったら、やっぱり戸外の食事が楽しくなる。ハーブが美味しくなるのもこの季節。セルフォイユ、パセリ、バジル、エストラゴンなど、香り高いハーブをどんどん料理に取り入れたい。オムレツ、サラダ、肉や魚のグリルや煮込み、パスタのソースに刻んで入れてもいいし、塩味のケーキやマフィン、クッキーに混ぜ込んでも、その風味をしっかり封じ込められる。ジャン・ルノワール監督の傑作『草の上の昼食』のように、大きなテーブルクロスを広げて、思い思いに食事の風景を楽しもう。春爛漫、眩しい陽気を背景に、戸外のシーズンは始まったばかり。
イタリアンパセリ persil plat
肉、魚、キノコ、パスタ、スープ、野菜料理に欠かせない基本的なハーブ。フランスでは、パセリをみじん切りするとき、コップとはさみを使う。葉の部分を逆さにコップに入れ、はさみでちょきちょきと切っていく。刻んだパセリとにんにくを合わせた《ペルシヤードpersillade》にオリーブオイルをたらしてピザにのせたり、ムール貝、エスカルゴのソースに加えたり、とびきりの脇役となってくれる。熱を加えると風味がなくなるのでご用心。
エストラゴン estragon(タラゴン)
肉、魚、卵料理に使われ、ピクルスやマリネにも欠かせない。バターやクリームソースなど濃厚な料理とも好相性。白ワインビネガーにエストラゴンを漬け込んだ、エストラゴン・ビネガーも人気。家庭でも簡単に作ることができ、ドレッシングやマヨネーズを作る際に使えば、素敵なアクセントになる。
アネット aneth(ディル)
フヌイユやアニスの仲間で、何ともいえない独特の香りが後をひく。サケやマスなど、川魚料理を抜群に引き立ててくれるハーブ。ヨーグルトやサワークリームに加えてジャガイモに添えたり、スモークサーモンに散らしたり、北欧の香りを堪能できる。
シブレット ciboulette
ニンニクやニラ、エシャロットと同じ仲間で、かすかなオニオンの香りがする。オムレツ、サラダ、サーモンのリエット、チーズやバターに混ぜ込んだり、ゆで卵を刻んだサラダ・ミモザに飾ったり、幅広く活用できる万能ハーブ。ベランダで簡単に栽培できるので、常備しておきたい。
ミント menthe
ロマンティックなギリシャ神話がもとになるミントはハーブの人気者で、すっきりと爽快な香りが特徴。細かく刻んで、小さくくり抜いたメロン、クスクス(スムール)、干しぶどうと混ぜ込めば、定番のお惣菜タブレの豪華版に。ベトナム名物のフォーやネム(小さな揚げ春巻き)を食べる時にも欠かせない。オレンジやいちごのフルーツ・サラダに少量加えるのもおすすめ。マグレブのとろけるように甘~いミントティーにも多用される。
コリアンダー coriandre
タイやベトナムなどのエスニック料理にかかせないハーブ。癖のある香りで好き嫌いが真っ二つに分かれる。刻んでサラダのドレッシングに加えたり、カレーの香り付けにも効果的。ライスペーパーにゆでた春雨、きゅうり、もやし、ニラ、海老、豚肉を一緒に巻いて、甘辛いタレをつけていただく生春巻きに入れても美味しい。
セルフォイユ cerfeuil(チャービル)
ユリ科で、ネギの1種。穏やかな香りと繊細な風味をもつハーブ。オムレツやサラダに入れたり、お菓子のデコレーションに使ったり、品のいい上等な一皿を演出できる。ただ、持ちが悪いので早めに使い切ることをお勧めします。
バジル basilic(バジリコ、バジリック)
シソの仲間で、さわやかな芳香が魅力。「ハーブの王様」ともいわれる、イタリア料理や地中海料理にかかせない食材。松の実やオリーブオイルとあわせてペースト状にしたソース・ピストゥーや、シンプルに茹であげたパスタにオリーブオイル、塩こしょうとちぎったバジルを和えただけの一皿も美味。トマトやモッツァレラチーズとも相性がよく、サラダやピザに最適。最近は、いちごやチョコレートと合わせたデザートが人気上昇中。
ローズマリー romarin
南仏出身の豊かな香りをもつローズマリー。若鶏、仔羊、仔牛のオーブン焼きはもちろん、刻んでパンに混ぜ込んだり、ソーセージに入れても、素晴らしい風味を発揮する。乾燥させたものは、タイムやローリエと一緒に束で売られている。このブーケ・ガルニは、フランスでは煮込み料理の定番食材で、様々な料理に活用できる。
ロケット roquette(ルッコラ)
「貴婦人のスミレ」という別名をもつ、イタリア原産のハーブ。ピリッとしたほろ苦い味とゴマのような風味が特徴。マーシュ、エンタイブ、ほうれんそう、タンポポの若葉とともに、いろんなサラダ菜を混ぜ合わせたニース名物のサラダ・メスクランにかかせないハーブ。

材料【4人分】
小麦粉200g、
卵3個、
ベーコン100g、
グリュイエールチーズ100g、
ベーキングパウダー1袋、
牛乳100ml、
植物油(ひまわり、コルザ、オリーブオイルなど好みで)100ml、
好みのハーブ(パセリ、ミント、エストラゴン、シブレットなど)
作り方
☆ ベーコンの代わりに、残り物のローストチキンや角切りのハム、ソーセージを使っても美味しい。持ち運びも便利で、ピクニックにも最適。小さく切って楊枝をさせば、素敵なアペリティフにもなる。

材料
丸焼き用の若鶏(1,5~1,8キロ)、
エストラゴン2束、
レモン半個、
生クリーム200cc、
バター20g、
卵黄1個、
エシャロット2個、
たまねぎ2個
作り方
☆ 付け合せはご飯やじゃがいものピュレ、タリアテッレなどきしめん状のパスタが美味しい。定番の家庭料理ローストチキンも、一手間かければ、おもてなしの素敵な一皿に変身する。