フレンチ・コード
ガイドブックには載っていないパリとフランスとフランス人の日常

栗 | Marron, Châtaigne

2007/12/10

ご馳走のシーズンがやってきた。クリスマスから大晦日、新年にかけて、胃の休まるときがない季節。遠方からも家族が集まり、豪勢な食事をしたり贈り物をしたり、何日か前から準備してぱーっと祝うのがフランス流。各家庭によってお決まりコースは違うけど、去勢されて丸々と太った鶏《シャポン》、がちょう、真ガモ、ジビエ、そしてフォアグラなど、ふだんより豪華な料理を振舞うことが多い。

さて、そんなクリスマス料理の脇役といえば栗。この季節、市場にはコルシカやアルデッシュ産の、小粒な栗が山積みになっているけど、下準備が面倒な人には、瓶入りのゆで栗が便利。スープ、鶏料理の付け合せから、アントルメ、アイスクリーム、チョコレート菓子のスイーツまで大活躍する。コンフィズリー(砂糖菓子屋さん)やショコラトリーの店先に登場するマロン・グラッセは、栗の甘煮の砂糖がけ。日本の甘露煮を思わす、ねっとりと絡みつく歯ざわりが特徴だ。かたや木枯らしが吹きすさむ日、香ばしい匂いに思わず立ち止まる、街角スタンドの焼き栗は素朴な味わい。ホクホクとした温もりを求めて、ついつい一袋買ってしまう。ほら、懐かしのヤキイモ屋さんのノスタルジーが感じられませんか。

栗をピュレ状にしたものに、砂糖とバニラで風味付けしたマロンクリーム(crème de marron)はお菓子作りの強い味方だ。クリスマスといえば、ビュッシュ・ド・ノエル(薪の形をしたケーキ)がお決まりとなっていて、マロン味がダントツの人気。バターと生クリームがたっぷり詰まった、強烈な甘さのビュッシュだが、これを食べないとクリスマスを迎えた気がしないというのも、また事実。「普段は絶対口にしないけど、一年に一度だけ、この誘惑を甘受するのよ」というマダムたちの、なんと多いことか。


七面鳥のロースト、マロン詰め

七面鳥のロースト、マロン詰め
材料

七面鳥 1羽、
むき栗1瓶(約500g)、
お好みで砂肝のコンフィなど150g、
エシャロット2個、にんにく2片、りんご1個、
ほしぶどう大匙1、卵1個、
パン粉を牛乳に浸したもの30g、
キャトルエピス(シナモン、クローブ、ナツメグ、
しょうがのミックススパイス)小匙1~2、
ローリエ2枚、塩、コショウ、コニャック少々

作り方

1. ほしぶどうをコニャックに、栗を牛乳に漬けこんでおく。エシャロット、にんにくはみじん切りに、りんごは皮をむいてさいの目に切る。
2. 詰め物を作る。鶏肉のコンフィは脂肪ごと小鍋にとって、ゆっくりと温めなおし、砂肝だけとりだして、食べやすい大きさに切る。フライパンを熱し、残ったコンフィの脂を少しとり、エシャロット、にんにくをいため、りんごを加えてじっくり炒める。そこに溶き卵、パン粉、ほしぶどうを混ぜいれ、塩、コショウ、キャトルエピスで味を整える。
3. オーブンを220℃に点火。七面鳥に塩、コショウし、(2)の詰め物をお腹にぎゅうぎゅうに詰めこんでオーブン皿ヘ。まずは、お腹を上にして30分焼く。
4. 軽く焼き色がついたら、今度は反対にひっくり返して、さらに30分。乾燥を防ぐために、ひっくりかえす度に、焼き汁を七面鳥にかけまわし、カップ1杯分の水を注ぐ。きれいな焼き色がついたら、もう一度ひっくり返してカリっとするまで焼く。途中、仕上がりの15分くらい前に、栗も加える(全体で1時間半~2時間)。
5. 香ばしい匂いが家中に広がる頃、こんがり焼きあがった七面鳥を大皿にのせ、まわりを栗で囲んで食卓へ!

☆七面鳥はパサパサしていてイヤ!という人はホロホロ鳥を使ってみよう。野生的な奥深い味わいが魅力です。
☆詰め物はお好みで、フォアグラやレバーとベーコン、フランスの肉屋ならどこにでも売っている≪詰め物用ソーセージ≫を代用してもいい。

マスカルポーネとマロンのビュッシュ・ド・ノエル

マスカルポーネとマロンのビュッシュ・ド・ノエル
材料

≪生地≫
卵3個、砂糖60g、小麦粉60g、
溶かしバター20g、塩ひとつまみ

≪クリーム≫
マスカルポーネ250 g、
マロンクリーム(crème de marron)250 g、
生クリーム300cc、
ブラックチョコレート100 g、
ミルクチョコレート50 g、
板ゼラチン3枚(6 g)、
バター15 g、
マロングラッセ2~3粒、
フランボワーズ5~6個、
粉砂糖 適量

作り方

1. オーブンを200℃に点火しておき、≪生地≫作りから始める。卵黄と砂糖をボールに入れ、白っぽくなるまで泡立て、ふるった小麦粉を混ぜあわせる。
2. 別のボウルに、卵白と塩を一つまみ入れ、角が立つまで泡立てる。
3. (1)のボールに泡立てた卵白の半分を混ぜいれ、溶かしバター、残りの卵白も加えて、やさしく混ぜあわせる。
4. クッキングシートを敷いた天板に流し入れ、オーブンで約12分焼く。
5. 焼き上がったら網の上にのせ、冷ましておく。
6. ≪クリーム≫を作る。ゼラチンを水に浸し、柔らかくなったら弱火で溶かす。マスカルポーネとマロンクリームをボールに合わせる。
7. 別のボールに生クリームを200ccとり、粉砂糖を大さじ1杯加えて泡立てる。そこに(6)のゼラチンを加え、マスカルポーネクリームをさっくりと混ぜこむ。
8. クリームを生地の表面に塗って、ロール状に巻いて紙に包んだまま、冷蔵庫でしっかりと冷やしておく(約6時間)。
9. 残りの生クリーム(100cc)を沸騰させ、刻んだ2種類のチョコレートとバターを加え、滑らかになるまで混ぜる。
10. (8)を冷蔵庫からとりだし、両端を切り落して、周りに(9)のチョコレートクリームをぬる。フォークで木の模様をつけ、さらに冷蔵庫で冷やす(約6時間)。
11. チョコレートが固まったら、粉砂糖をふりかけ、半分に切ったマロングラッセとフランボワーズで飾りつけする。

☆マスカルポーネクリームにラム酒でアクセントを加えたり、デコレーションにカラフルなベリー類、キノコやサンタクロースのオーナメントを飾ったり、お好みでアレンジしてください。

野菜物語