2006/12/18
ロブションの料理本を眺めていたら、無性にじゃがいものピュレが食べたくなった。あの舌に絡みつく、何ともいえない幸せな瞬間を、どうしても味わいたくなったのだ。さて、「500gのじゃがいもを、1ℓの水に入れ火にかけて…」と、待つこと小1時間。いくらたっても、じゃがいもの、あのハラリとくずれる感じがしない。仕方なくマッシャーで潰し、ピュレもどきに仕立て上げたものの、滑らかさゼロの失敗作に終わってしまった。よく見ると、私が使ったじゃがいもの品種は、赤い皮のロズヴァル。ロビュションのそれには、BF15と書いてあった。
年中市場に並ぶじゃがいも。その品種によって、実は季節感があり、調理の仕方も違ってくるのだと、その時はじめて知った。例えば、小ぶりで可愛い品種シャルロットは、ついつい手にとってしまうが、これはロズヴァルと同じく、実がくずれにくいタイプ。皮付きのまま、丸ごと蒸したり、ソテーにすると、素晴らしい実力を発揮する。先ほどのBF15は、デンプン質が多く、ほくほくした食感が魅力。煮くずれしやすいので、ピュレ、コロッケ、スープなど、潰してから使う料理にぴったりだ。その他、最近よくレストランで見かけるヴィトロットは、美しい紫色の外見で、ミルフィーユ仕立ての一品や、サラダに鮮やかな彩りを添える。
ソテーに、サラダに
じゃがいもの中で、一番小さな品種ラットは、皮付きのまま、ふかしたり、ソテーにしたり。赤い皮のロズヴァルは、煮くずれしにくく、サラダに映える。
ピュレ(マッシュポテト)
フランスで一番人気のビンジュや、かすかに胡桃の香りがするモナリザを選べば、ねっとり感があり、口当たりが滑らかな極上のピュレに。
グラタン
1981年生まれのブルターニュ産、シャルロットは年中手に入る。BF15は、どんな料理にも適するが、日持ちが悪いのがたまに傷。そのせいか、最近あまり見かけなくなった。
スープ
冬の定番ポタージュには、ベル・ド・フォントネ、モナリザ、ビンジュなど、とろけるような味わいの品種を選んで。
フリット
フライドポテトやチップスには、オランダ産のビンジュが大活躍する。繊細な風味と、栗のような甘みをもつ、ベル・ド・フォントネも人気。
オーブン焼き
シャルロット、BF15、モナリザ、サンバがおすすめ。オープンサンドのように、カマンベール、ロックフォールのチーズ類や、スモークサーモンと生クリーム、えびとタプナードをのせて、ビュッフェスタイルのカナッペにしても。
ガレット
じゃがいものガレットやトルティーヤなど、フライパン料理に最適なのが、ベル・ド・フォントネやシャルロットのように、身がしまったもの。薄くスライスして、にんにくとソテーするだけでも美味しい。
材料【4人分】
ビンジュ、ニコラ、ロズヴァル、ヴィトロットなど400g
スモークサーモン 200g
生クリーム(crème fraîche épaisse)120g
いくら50g
好みのハーブ(アネットかシブレット)
塩、胡椒
作り方
☆ それぞれ思い思いに、じゃがいもを取って、好みでサーモンクリームと、いくらをのせていただく。
☆ 簡単なのに豪華なアントレになる一皿。ロワール産の白ワイン、サンセールやプィイ・フュメと合わせてみては、いかがでしょう。