サッカーの欧州選手権「ユーロ2008」の開幕まで2ヶ月とちょっと。この大会、激戦を勝ち抜いたヨーロッパの14チームが激突するもので、欧州勢にくらべ見劣りは否めないアジア、北米、オセアニアにも出場枠があるW杯よりも断然オモロイというのがサッカー通の見方。
そんな中、ユーロ2008に出場するメンバーの「最終選考」となり得る重要な試合が26日のイングランド戦。この試合の最大の見どころは、まさかのユーロ予選敗退の大ショックから再出発を図るイングランド代表に、あのベッカムが復帰すること。しかも代表100試合目。
…だったのだが、もうひとつ、予期しない出来事が訪れた。それも悲しいニュース。民放TF1局でフランス代表の試合実況を担当し、サッカーファンに親しまれたティエリ・ジラルディさんが25日、心不全で亡くなってしまったのです。49歳。当然、何もなければ26日のフランス対イングランド戦の実況を行なうはずだった。
フランス代表の実況といえば、長らくティエリとジャン=ミッシェル(解説)のコンビがおなじみだった。ただしティエリといっても、ベテランのティエリ・ロラン氏(
薄毛)で、1998年にフランスがW杯で優勝したとき、トリコロールのアフロかつらをかぶってお茶の間を湧かせたお方。その名物アナの退職(その後、M6で復帰したが)に伴って、2004年からフランス代表戦の実況と日曜朝のサッカー番組「テレフット」の司会を務めるようになったのが、もうひとりのティエリ、ジラルディさんだった。
前任者のロランさんが40年以上にわたりフランス代表戦を実況してきた名物アナウンサーだったため、交代当初は“役不足”を不安視する声もあったが、すぐに不安も払拭。その熱い語り口はサッカー中継に欠かせない声となった。とくに2006年W杯決勝戦でジダンがマテラッツィにヘッドバットを浴びせ退場処分になった場面で発した「ジネディーヌ、なぜだ!?」の悲痛な叫びはいまなお鮮明な記憶として耳に残っている。
ジラルディさんはパリのラグビーチーム、スタッド・フランセの副会長も務めるほどのラグビー通でもあった。昨年フランス中が夢中になったラグビーW杯でも名調子で魅了してくれた。サッカー界のみならず、フランス全体にとって、その突然の早すぎる死は、ベッカムの代表復帰など吹っ飛ぶほどの衝撃のニュース。選手たちもイングランド戦に喪章をつけて臨み、試合前に1分間の黙祷を捧げる。