サルコジ大統領といえば、「rupture」をテーマに掲げて当選したお方。「rupture」は本来、破壊、断絶、決裂といったあまりいい意味では使われない言葉だが、彼はこれを過去の政治との「決別」というニュアンスで用いた。ミッテラン(
薄毛)のもとで14年、シラク(
薄毛)のもとで12年、この四半世紀の間、フランス独自の価値観にこだわってきたために、他の国に遅れをとった、もっと現代的に、現実的に変わらなければならない、というのが彼の主張だった。
かくして、
薄毛でスローな動作と語り口、重厚で風格を感じさせる雰囲気がおなじみだった(シラクは実は軽薄という指摘はあるが)大統領の時代が終わり、髪は黒々としてフサフサ、朝はジョギング、バカンスはヨット、という軽快で実務的な新大統領が誕生したのであった。
こんなことをいまさら書いたのも、18日の新聞各紙一面には、サルコジ大統領の「rupture」が大々的に報じられているからなのです。ただしこの「rupture」は文字通りの断絶、つまり妻との破局のこと。セシリア夫人との不仲はこれまで何度も報じられてきたが、ここへ来てついに正式な離婚手続きに踏み切った、という憶測が伝えられている。在職中の大統領が離婚するなどというのはもちろん前代未聞のこと。
この日は、サルコジ大統領と国民の「断絶」が顕著に表れた1日でもある。大統領が提案した年金改革に反対する労組が大規模なストを実施。全国的に交通機関がほぼ完全にマヒしている。年金問題に手をつけるのは、政治的には危険な賭けで、すでに12年前、ほぼ1ヶ月にわたり交通機関がストップした大ストをきっかけに、当時のジュペ内閣がその2年後に退陣し、左派が政権を奪取するという事態にも発展した。その結果、大統領は右で内閣が左という奇妙なカップルの同居生活になったのでした。
この間、政治は停滞した。というのも、大統領府と首相府が保革に別れていただけでなく、政権内部も社会党、共産党、緑の党らの寄せ集め。各党の足並みはそろわず、ついに前回の総選挙で断絶ぶりが明らかになった。さらには社会党内部にもオランドとロワイヤルのカップル破局に見られるように断絶が訪れた。
深まる秋、さまざまな別れが際立って見えた一日。サルコジ大統領の就任以来、ジョギングがちょっとしたブームになった感がありますが、今度は離婚ブーム、てなことにならなきゃよいですけどねえ。