フランスのニュース

危険なスポーツ
2008-08-11
どうですか、フランス、盛り上がってんですか? いや、なにがってオリンピック。そりゃ勝てば盛り上がるし、勝たねば盛り上がらぬ。さすがフランス人、勝ち目のない競技でも必死に応援する日本国民よりはずーっと冷淡です。
大会3日目の途中で、いまのところ銀3、銅2、金メダルなし。とくに期待のかかるフェンシング、競泳、柔道で不振な立ち上がり。11日に行なわれた競泳の男子自由形400mリレーでは、残り数十センチで米国に抜かれ、実況のオジサンたちがギャオーッ、せ・ぱ・ぽっし〜ぶる(ありえんわい)と絶叫しておりました。前大会の金メダリストで国民的な人気者、ロール・マノドゥ嬢も400m自由形でまさかの惨敗。
そのほかでは、かつて活躍した陸上陣も、どうせダメなんでしょ、と最初からあまり期待されていないようす。例外は、1500m走のメディ・バーラと、地味ィな50km競歩のヨアン・ディニズ(薄毛)くらいであります。
ですが、応援したいのは、男子走り幅跳びのサリム・シュディリ選手。なんでかというと、このヒト、大ケガから見事に復帰したからなんですな。そのケガというのがアッと驚き、昨年の7月13日(の金曜日)ローマで行なわれた大会で、あろうことか槍投げの槍が突き刺さって負ったもの。数センチ違えば命にかかわったという重傷だった。そういやもっと昔に、審判が“串刺し”になったこともありました。
陸上の選手でも審判でもなく、文明国に住む我々には突然どこからか槍が飛んでくる危険など無縁だが、突然どこからか鉄球が飛んでくる可能性があるので注意したい。オヤジたちが公園や空き地で遊ぶペタンクであります。発祥の地、南仏でとくに盛んなこのペタンク、鉄球を放り投げて目標のタマにいちばん近いと勝ち、という単純な競技。
巡礼地で知られるルルドの近くで8日、ペタンクに興じていた39歳の男性が、ほかの人が投げた鉄球を頭に受け、病院に運ばれたが死亡した。
一見のどかに見えるペタンクだが、実は「危険」な競技なんだそうで。いや、球が頭を直撃するなんてことはまれだが、パスティス(南仏名物の食前酒)で酔ったオヤジが判定やルールでもめてケンカ、乱闘、血まみれ、なんてケースが毎年報告されているそうなのです。そういえば昔、日本でもゲートボール殺人なんてのがありましたね。いや、スポーツってホント、心と身体に悪いよね。
サルコジ、北京へ
2008-08-07
いんや、やってまいりました、4年に1度の世界イベント、オリンピック。スポーツの祭典...というより商業の祭典か...。今回はとくに政治イベントとしても大いに利用されておる。開幕まで24時間を切りました。開会式は08年8月8日の8時8分8秒ってんだから中国人もこだわりますね。さてかついだ縁起の通り末広がりといくかどうか...。何か起こりそう、なんて競技以外のところでハプニングを期待している罰当たりなヒト、ゼッタイいますね、アハハ。
北京五輪反対キャンペーンがもっともさかんな町のひとつ、聖火リレーも打ち切られちゃったパリでも動きアリ。NGO「国境なき記者団」が中国の人権抑圧に抗議して、7日の7時と8日の真夜中に在仏中国大使館前でデモを予定していた。でもね、このデモ、警察の許可が下りなかった。「国境なき記者団」はすぐに、「集会の自由」を保証する憲法に反する決定、とパリ行政裁判所に訴えている。
そんな中、サルコジ大統領が北京での開会式に出席すべく、バカンス先から「こっそり」飛び立った。フランス企業の大事なお客さんでもある中国を敵に回したくない大統領は、五輪開催中の11日から23日にかけてフランスに滞在するダライ・ラマ14世にも「会わん」と宣言しておる。しかしですな、大統領夫人のカーラ・ブルーニは、22日にエロー県で行なわれる仏教寺院の建立式に参列、ダライ・ラマと直接会うことになる。
このヒト、もともと政治的には人権擁護派、当然チベット問題では、心情的には反中国と想像される。国籍がイタリアであるため、先の大統領選挙(サルコジとの結婚前)では投票できなかったが、投票できるのならロワイヤル候補に入れるつもりだったというほど。そんな政治的に相容れない相手をヨメにするあたりが、二枚舌男サルコジならでは、です。
ところで、チベット、人権侵害、大気汚染といろいろ問題が言われる中国だけど、マラソンコースの沿道に立ち並ぶアバラ屋が見えないようにフェンスを設置した、っていうのには呆れるのを通り越して笑ってしまいますね。
原油高とフランス
2008-08-06
本格的なバカンスシーズンに突入したフランス。先週末はバカンスに出発するクルマで道路はひどい渋滞だったそうですな。なんと700キロ。パリからリヨンを突き抜けてマルセイユまで到達しようかという距離ですが、ま、実際そこまでつながっていたわけではなく、合計のキロ数。でも渋滞を避けて真夜中に出発したヒトがマルセイユに着いたのが正午、というから尋常じゃない。そこからカーフェリーで北アフリカに渡ろうとしたアンタも尋常じゃないが...。
こういうニュースを聞くにつけ、なにもこの混雑の時期にクルマで行くこたあないじゃないの、と思うのだが...。おまけにこの世はガソリン高。日本やアメリカも道路はガラガラだというじゃありませんか。フランスもやはりそのあおりを受けて、7月の高速道路の交通量は前年同月に比べ4%減だったとか。
原油高の影響は、エールフランスの大幅減益、四駆の売行き不振(上半期の販売台数が前年比16%減)など連日のように報じられている。景気のいいハナシはどこからも聞こえてきませんが、例外はモチロン、石油会社。フランス最大手のトタル社、4-6月期の純益は47億3200万ユーロ(およそ8000億円!)に達したというではありませんか。石油タンカーの沈没による海洋汚染の責任などで、つねに嫌われもの企業の上位に位置するトタルだが、この儲けっぷりでますます庶民の目の敵にされそうです。
大統領夫妻のバカンス先で事件
2008-08-01
8月です。フランスはバカンスの季節。パリは人が少なくていいですよう。8月にパリに残っている人をaoût(8月)からとったaoûtien(アウシアン、8月族ってとこか)という言葉があるくらい。
大統領もパリを離れております。「新妻」と過ごす初の夏休み(といってもしょっちゅうバカンスに行っている印象がありますが)は、地中海に面したカップ・ネーグル(黒んぼ岬)。夫人のほうのブルーニ・テデスキ家のもつ邸宅だそうで。
8月8日には五輪の開幕式に出席するため北京に飛ぶが、それ以外はここと、わずか数キロのところにある大統領の公邸で3週間を過ごす。このため、7月7日から9月15日まで、カップ・ネーグル上空は国防省の通達で飛行禁止区域に指定されている。
ところがこの上空にうっかり侵入しちゃったヒトがいるんですな。大統領夫妻を狙ったカミカゼ!? それともパパラッチ!? パイロットは管制塔からすぐに引き返すようにと警告を受けた。
機は出発した飛行場に戻ると、すぐにモノモノしい捜索を受けたが、武器も写真も見つからず。操縦していたのは今年3月に免許をとったばかりの新米パイロット、36歳。初の本格的フライトでいきなりの大チョンボをしてしまったというわけ。
相手が大統領、国の安全保障にかかわる問題だけに、今後は十分気をつけるよーに、程度では済みそうになく、1万5000〜4万5000ユーロ(およそ250万〜750万円)の罰金、6ヶ月〜1年の禁固刑を食らう可能性もある。
ピンクのワインが人気
2008-07-31
パリも暑い日が続いております。こんなときは、重たい赤ワインでなく、冷やしたロゼワインをクィッといきたくなりますな。
ロゼゆうたら赤ワインと白ワインを混ぜたもんやろ、なんて思っているオトウサン、ちゃいますがな。赤ワインは赤(黒)ブドウを皮もいっしょにしぼるのであの色になり、白ワインは白ブドウの果汁のみを使うので白。で、ロゼはというと赤(黒)ブドウの皮をのぞいて果汁をしぼって発酵させるのであのピンク色になるわけですな。
たしかにロゼには、その色の通りちょっと中途半端なイメージがある。やはりなんといってもワインは赤。魚介類には白。ロゼはというと、真っ先に思い浮かぶのが「ピザのお供」。中華やインド料理屋でもなぜかロゼが好まれる。ちょっと安っぽい印象あり。
ところがですね、ここ5年でロゼの売れ行きが急激に伸びているという。10年前にワイン全体のわずか8%だったロゼの消費量が、21%に達している。フランス人が軽いものを好むようになった傾向の表れだとか。
ワイン自体の人気が下降気味、とくにフランス産ワインが全体的に不振な中にあっての健闘ぶりを見て、これまでロゼを産出してこなかった地方も生産に乗り出しているという。赤ワインの王国、ボルドーもそのひとつ。
ただし世界的にはまだブームに火がついていないのが現状。流行に敏感な日本人が飛びついてくれれば言うことナシなんでしょうねえ。
真夜中のプール
2008-07-30
夏ですね。夏といえば海、そうじゃなかったらプール。プールって海に行けない人が行くんでしょ、なんかビンボくさいわー、というアナタも自宅にプールがある、なんて言ったら黙ってしまうハズ。
パリ周辺ではめったに見かけないが、庭にプールのあるおウチ、これがけっこうあるんですな、飛行機から地上を見るとわかります。2007年の統計を見ると、プールを所有する世帯の数は134万6000戸。2000年に比べてほぼ倍に増えている。
しかし家計の景気指数が記録的に低くなっている今年、プールはあるけど水は入れられない、なんて家がけっこうあるのかも知れない。一戸建ての水道料金はバカ高いのですよ、フランスって。
さてフランスは南西部、トゥールーズでの出来事。3人の若者が人々の寝静まった夜中、プールにでも行こうや、という話になった。16歳。イイですねー、青春真っ盛り。隣の家の庭に忍び込んで、真っ暗な中での水浴を楽しんだ。ま、そろそろヤバいかも、と15分ほどで切り上げて帰ろうとしたそのとき、ギョエー、すでに先客がいらっしゃったことに気づいた。なんと隣のご主人、48歳。いいネッ、キミたち、隣の家に忍び込むのも青春の1ページ、輝いてるネ、なんて若者の泳ぐ姿を寛大に見守っていたわけではなく、事切れてプカプカと浮いておった。
すぐに救急隊が呼ばれたが時すでに遅し。もう1時間も前に三途の川を泳いで向こう岸へ達していた。三流ホラー映画の冒頭さながらの場面だが、殺人鬼などどこにもおらず、検死の結果、心臓発作による死亡と判明した。青春真っ盛りの16歳3人にとっては忘れたくても忘れられない真夏の夜の悪夢となってしまった。
2006年夏の統計によると、個人宅のプールで溺死した人は55人。うち6歳未満の幼児は21人だった。フランスは自宅にプールを設置する際の安全基準を厳しくして子供の事故死の予防に努めている。子供に開けられないフェンスの設置などが義務づけられているが、有効な予防策のひとつは、お利口なイヌを飼うこと、だそうです。
パリ郊外連続銀行強盗、犯人は16歳女子
2008-07-25
パリの南西のはずれ、ベルシー門の向こうにあるメゾン・アルフォール市。緑豊かで穏やかな郊外の町であります。ここで22日、銀行強盗が捕まったというのだから穏やかじゃない。しかもその容疑者、なんと16歳の女子!
この女子、同日朝、同市にあるHSBC銀行に仲間と拳銃をもって押し入り、現金およそ700ユーロを奪うと、催涙ガスをまいて逃走した。逃げる途中で市内をパトロールしていた警官と鉢合わせになったのが運の尽き、あえなくお縄となったのでした。ほかの仲間は逃亡中。
警察の情報によると、この女子は犯行現場の隣町クレテイユ出身で、現在は同じ圏内のティエ市に住んでいる。これまで警察のファイルに載るような問題は一切起こしていない。ほかに6件の銀行強盗に関与した疑いがあるとして、現在取り調べが進められている。
一連の強盗事件は、7月2日を皮切りに発生した。おもにHSBC銀行が狙われている。21日には、同じ手口で現金およそ4万ユーロが強奪されている。
違法カップルの駆け落ち騒ぎ
2008-07-09
サンテティエンヌといえば、サッカー日本代表の松井大輔選手がルマンから移籍し、日本でも知名度がグッとあがった町。パリから南東に400キロほど下ったロワール県にあります。そのロワール県にある人口わずか2000人足らずのアンビエルルという小さな村での出来事。
この村から先月の26日以来、一組のカップルが行方不明になったというのですな。それが騒ぎになるってことは、いまどきめずらしい駆け落ちか。それにしてもそんなに騒ぐほどのことじゃないって? よほどのワケあり? いやね、このカップル、ヒトじゃないんです。カンガルー。正確にいうと、カンガルーより小さなワラビーだそうで。よくカンガエルとワラビーっていやあ、オーストラリアかニュージーランドに生息する動物。フランスにいるのは、動物園だけ。のハズなのだが、このカップル、個人の家で飼われていた。エッ、飼えるの? 飼いたい♡って思った方もいるでしょうが、もちろん違法に取引されたものなのです。
このカップルのうち、メスのほうが近くの民家の庭で見つかった。よほどお腹がすいていたのでしょうな。ワラビをムシャムシャと食べていたそうです。ウソ、サラダ菜とズッキーニを食べているところを発見され、通報を受けた狩猟局のハンターたちに捕獲された。サンテティエンヌとリヨンの間にあるサンマルタン・ラ・プレーヌという村にある動物公園に引き取られている。オスのほうはいまだ行方不明であります。彼女を置いてどこをピョンピョンほっつき歩いているの?
フランスでは、このテの違法に売買された野生動物が個人の家から逃げ出した、ってな話題がときどき報じられる。発見・捕獲となれば、持ち主に返す、ってわけにもいかないので、その保護をおこなう組織が必要だが、いままではそれがなかった。今年に入って、Tonga Terre d'accueilという団体が前述のサンマルタン・ラ・プレーヌに発足し、野生動物の保護や受け入れを目的に活動している。
奇怪な眉毛男
2008-06-26
ちょ、チョット、油断なんねェな、6月も残すトコあと4日だってーじゃないの。困るよ地球、そんなに速くまわってもらっちゃ。
そのせいで、あんなに騒いでたのにもう終わっちゃったじゃないの、ユーロ(サッカー欧州選手権)。まだ準決勝の残り1試合と29日の決勝があるって? いや、フランスはとっくに終わりを迎えていたのでした。グループリーグであっけなく敗退。3試合で2敗1引き分けってんだから、優勝候補、なんて期待させたわりにはだらしのない結果じゃありませんか。
オジサン選手ガンバレ、なんて書いたが、今回はベテラン勢の起用が敗因のひとつ、と言われた。カナシイものです。オランダ相手に歴史的な大敗を喫した責任を問われ、「鉄人」テュラム(36歳でした=訂正)は最後の試合にも出してもらえず、欧州選手権出場記録は16試合、通算出場記録は142試合でストップ。今大会を最後に代表引退を決めたのでした。しかし、引退表明は実にすがすがしかった。
それに引き替え、国民の大半を激怒させているのが眉毛男、レイモン・ドメネク。監督が責任をとって辞めるのは、サムライの国でなくともスポーツ界では当然のことなのだが、「いや、今回は次のW杯のための準備だった」なんて言い出す始末。さらには試合直後のインタビューで「今後の計画(進退という意味で)」を聞かれると、「エステルと結婚すること」なんてしゃあしゃあとぬかした。ユーモアをきかせたつもりかも知れないが、このヒトの発言、いつもひとりよがりなんですよね。
エステルというのは、このインタビューを伝えたM6局のサッカー番組で司会を務める早口のオナゴ。監督の交際相手。すでに交際して長く、2人の子供もいる公認の仲だが、籍は入れていない。
これを報じたスポーツ紙のサイトには、ユーザーから「とっとと新婚旅行に行ってくれ。そして二度と帰ってくるな」といったコメントが殺到した。監督の去就は、7月3日のフランスサッカー連盟の理事会で結論が出るのだが、代表チームの監督人事はとかく政治がらみ。ドメネクというおヒトは、人選や采配は無能でも、「政治」にはやたら強いらしいんですな。2010年まで契約が残っているので、連盟が違約金を払わされることになるのもネック。エステルと交際していたという噂があって、監督から干されたルドビック・ジュリという選手は、「違約金を払うために募金運動をするなら、真っ先に出すぜ」と言っている。ドメネク続投なら、アンチ・フランス代表になってやる、という人も少なくない。
アフロのヅラに注意
2008-06-12
サッカー欧州選手権ユーロ2008、連日熱戦が繰り広げられております。ポルトガルが楽々と2連勝で決勝トーナメント出場を決めたのに対し、開催国のひとつスイスが2連敗ではやくも敗退が決定。
フランスも初戦のルーマニア戦で0—0と引き分け、13日のオランダ戦は絶対に負けられない一戦となる。対するオランダも、2連勝ですんなりグループリーグ突破を決めたいところ。
ところで強敵はグラウンドの外にもいる。選手たちをバックアップするオランダのサポーターは非常に熱狂的。スイスには3万人ものファンが乗り込んでいると聞く。それで観客席の半分がチームカラーのオレンジ一色に染まってしまうのです。オレンジのユニフォームを着込むだけでは満足せずに、頭までオレンジ。アフロやおさげのカツラが人気のようです。
そんな状況をふまえて、オランダの厚生省がサポーターに“警告”を発した。「カツラをかぶった方、ゼッタイにタバコは吸わないように!」。何でも販売されているカツラの3割は、引火しやすい素材でできているそうなのです。“警告”の効果かは知らないが、いまのところ頭から火を噴いたサポーターは報告されておりません。
過去の記事次へ