なにげなくテレビをつけるとパリの街中を車で走る映像が流れていた。見覚えのある風景をなんとなく見続けていると、ワンカット?と思わせる長回し、パリの石畳の細い道をスルスル通り抜け、鳩を蹴散らし、赤信号も全部無視!?ついつい引き込まれるように見てしまった。これは、Snow PatrolというUKバンドのプロモーション・ビデオだったが、なんとオリジナルはクロード・ルルーシュ監督の1976年の短編映画。自分のフェラーリで早朝のパリを疾走する様を約10分にわたってノーカット、ノートリックで撮影したもの。プロモよりもこっちの方が断然いい!運転は監督本人ではなく本物のF1ドライバー。エンジン音が臨場感を盛り立てて、鳩が大慌てで飛び立ち、10分なんてあっという間。何度でも見たくなる。ドライブ・コースは、凱旋門、シャンゼリゼ通りを抜けてコンコルド広場、ルーブル美術館、オペラ座とお馴染みの場所を通って、モンマルトルの丘の上へたどりつく。最後は、さすがルルーシュ、「C'etait un Rendez-vous」というタイトルを、なるほどねーと思い出させるちょっとした演出もあり。
だが、交通ルールを無視しまくる映画だけあって、当時は公開と同時に監督が逮捕されたとか。台詞も音楽もなくパリの街を超スピードで駆け抜けるこの映画は、フェラーリのエンジンのうなり、タイヤのキュルキュルいう音が楽しめるということもあって、車好きの間ではカルト的な人気があるそう。車好きでなくとも、ちょっと危険なパリのドライブ気分が味わえてとっても楽しい、というか、興奮!する。が、それにしても、30年たってもちっとも変わらないパリの街って不思議。