パティシエール 吉田 由紀さん
Yuki Yoshida, pâtissière

洋梨の上にリ・オ・レ(ご飯をミルクで煮た伝統デザート)を絞り出し、栗の蜂蜜入りのフィナンシエを一口、アカシアの蜂蜜のアイスクリームを添え、ハーブジュースを注ぐ。“ウィリアム梨のパリジェンヌ風”の出来上がり。
コースを締めくくるこのデザートは、ほのかな甘さで違った食感が楽しめ、ハーブジュースの香りと爽やかさが残る。とりわけカマルグ米を使っているというリ・オ・レの繊細な味にびっくり。11区の人気レストラン、ボタニックのパティシエール(パティシエの女性形)吉田由紀さんの作品だ。

27歳でフランスに行く
山形の調理学校、新潟の製菓学校を卒業した由紀さんは、東京のリッツ・カールトンホテルでパティシエールとして働きだした。21歳のとき。
欧米人の従業員やお客さんも多く、いつか海外で働きたいと考えるようになった。
お菓子作りをするようになったきっかけは、
「小さな時から母の料理の手伝いをしていて、高校からお弁当は自分で作り、お菓子をあまり買わない家庭だったので自分で作るようになりました 。何か手に職を持ちたいと思ったとき、自然に調理学校を選びました」と由紀さん。
ホテルで3年勤めたあと、カフェ・レストランへ。ここでは素材から考えて創作パティスリーを作るようになる。
「いろいろ試行錯誤して作っているとき、ふとそれを楽しんでいる自分に気づいて、一生の仕事にしようと」それなら本場のフランスに行こう、今から貯金して27歳で行こうと決める。

スィーツ食べ歩き
結局1年ずれ込んで28歳、2014年年末に、ワーキングホリデーヴィザでパリにやってきた。言葉は独学。14区の日本人シェフのレストランで数か月働いたあとはもっぱら食べ歩き。
フランスのケーキは“甘い・大きい・シンプル”(VS日本のは“甘さ控えめ・小さい・凝っている”)。フランス人がパン屋さんでバゲッドと(自分用に)ケーキ1個買っていく姿も珍しかった。
2015年秋、11区にレストラン、ボタニックのオープニングを手伝いに行き、オーナーシェフ、 山口杉朗さんから働いてみないかと言われる。
ワーキングホリデーが切れる年末まで働いて、一度帰国。就業ヴィザが取れてパリに戻ってきたのがこの8月。それ以来、一日立ちずめの毎日が続いている。

3年やったら日本に帰ろう
フランスのパティスリーは発想、素材の使い方が面白い。レストランでしかできないデザート作りももっと体験したい。
「でも3年後には日本に帰って、お菓子のラボがやりたいです」(自分のお店を出したい、を予想していたら!)
ラボで作ってお店やカフェに卸す。自分で責任が取れて、お客さんの反応が感じられる範囲で作りたい。
地に足がついた人生計画、思わず「しっかりしているなぁ」と感心してしまう。今のところは、ボタニックで季節感ある由紀さんのデザートが食べられます!

BOTANIQUE

71, rue de la Folie-Méricourt 75011 Paris
Tel : +33 (0) 1 47 00 27 80
メトロ : オベルカンフ/Oberkampf(5,9番) パルマンチエ/Parmentier(3番)
休:日、月

71, rue de la Folie Méricourt 75011 Paris