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10年近く、“Thanx God I’m a VIP”というパーティを主催し、パリの“夜の女王”として君臨したシルヴィー・シャテニエ(“栗の木”という意味)。数ヶ月前に開いたヴィンテージ・ショップが早くも話題になっているけど、私たちに関心があるのは、華やかな上昇や180度の転身をしながら、とても気さくでシンプルなこの女性の物語だ。
イベントとヴィンテージ、その2つが情熱?
私は最初、クラブの人相チェックの仕事をしていたの。チェックの基準?それは主催者によって毎回違う:お金のなさそうな人はダメ、外国人はダメ、黒人はダメ・・・どのパーティーにも彼らの差別があり、VIPがいるのよ。パリのクラブは殆ど回ったわ。その仕事を2年やったら、夜が嫌いになって、VIPに吐き気がするようになった。
94年に、私の情熱であるヴィンテージをやろうとお店を開いた。服への関心は母親から。とてもおしゃれな人で、彼女のワードローブに触ったり試したりが、子供時代のお気に入りの遊びだった。お店の名前は皮肉をこめて“Thanx God I’m a VIP”!
モデルとかモード関係者が来てくれたわ。それでお店の宣伝になるパーティを、エリゼ・モンマルトルで開くことにした。招待客は、お店でヴィンテージの服を選んでくるというコンセプトで。これが予想以上の成功になって、サル・ワグラムというパーティ会場で、月に1回、ソワレを開催してくれないかと言われて、始めたの。『ラストタンゴはパリで』でマーロン・ブランドとマリア・シュナイダーが踊る、あの場所よ。間もなく、招待客が多くなって“お店の服”では間に合わなくなって、お店をやる時間もなくなったわ。
誰もがVIP
というのがパーティのコンセプト。BCBG、ゲイ、黒人・・・と普段は交じり合わない“人種”のミックスも特色だった。90年代後半って不景気だったでしょ。パーッと狂って騒いで鬱憤を晴らしたい気分に、このコンセプトがうけたってこと。ピークには2000人も集まった。デザイナー、モデル、カメラマン、ヘア・メイクのモード関係者がコア。『タータンチェック』『アニマル柄』『モノグラム』とか毎回、ドレスコードがあって、みんな気合を入れて個性的なスタイルで来たから、見ているだけで面白かったわ。97年はNYにも出張した。
招待客リストはもちろん、招待状のデザインもフライヤーも全部自分たちでやった。ひとつのパーティが終わると、翌日から次の準備にかかる、フルタイムの仕事よ。
月1回のイベントを10年間続けるって大変なこと。そのモチベーションは?すごくお金が儲かったとか?
後半は稼いだけど、得たものはお金じゃないわね。愛・・・感謝かな。そう、こんな素敵なパーティを開いてありがとうっていう言葉。パーティで出会ってカップルになった人からお礼を言われたり、“人の役に立っている”という感じが励みになった。
2005年に止めたのは、夜の女王に疲れたから?
時代が変わったって感じた。色々な階級や人種ミックスのパーティができなくなってきたし、ハメを外して着飾ってくる人も少なくなった。ちょうど娘が18歳になって家を出たので、初めて自由になった気がしたんで、ここで人生のページをめくろうかなって・・・
ブルターニュの家を売って、モロッコに行った。民宿とかブティックをやろうと思ったんだけど、あの国でビジネスやるのはイマひとつピンとこなくて、6ヶ月後にパリに戻ってきた。そこで、“人生のパートナー”と呼べる男性に出会ったの。
彼に、外国なんか行かないで、ここで一緒にやろうって、自分はハウスミュージックのレコードレーベルを立ち上げるから(彼はDJ)、私はヴィンテージの店をやればいいって。
・・・という経過で開いたヴィンテージ・ショップ、名前はあくまで“Thanx God I’m a VIP
ヴィンテージショップオーナーの一日とは?
朝は早起き(?!)。ホントの話よ。どこの倉庫に何のデッドストックがあるとか、どこに古着の卸屋がいると聞くと、その情報を辿っていくの。探偵みたいな仕事よ。時間かけてたどり着いて、何もないこともあれば、掘り出しものにめぐり合うこともある。個人的にはシャネルが一番素晴らしいと思う。昔も今も、変わらぬエレガンス。なかなか見つからないけど。
最後に、今でも頼まれればイベントを企画する?
とたずねると、「頼まれればやるけど・・・最近は、私が頑張って着飾っていっても、半分以上の人はジーンズで、かえって私が浮いちゃう。みんなが趣向をこらした格好でくる面白いソワレがないのよ。」
だからこそ、シルヴィーの腕の見せ所では?彼女が、新しい企画をひっさげ夜のパリに返り咲くのも、ありえそうな気がする。
 
シルヴィアが主催したパーティー “Thanx God I’m a VIP”
パーティーが始まった当初、1995年
フライヤーのモデルはシルヴィー本人
有名ブランドのモノグラムのパロディも!
カール・ラガーフェルドがダイエットに成功した直後、モデルで登場。2001年



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