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マルキュスの絵を友人の画廊オーナーから見せられた。不思議な絵・・・物語性のある、暗い色調の幻想的な世界。でも見ていて暗くはならず何か心に引っかかって、残像が残る。
内向的で無口な人を想像していたら、気さくですごくおしゃべり、マルキュスはパリのアメリカ人。41歳。
アメリカの田舎からNYへ、そしてパリへ
アメリカはカンサス州の田舎町出身。お父さんがミリタリーだったので軍事基地で生まれ、間もなくドイツに移り住み(だから彼のフランス語は英語のアクセントがない)10歳から18歳はまたカンサスに戻ってきた。当時クリントンが州知事で一緒に撮った写真もあるよ。
小さいときから絵は好きで、ルイジアナ大学のファイン・アート課を卒業。田舎町では何もできない気がしてNYに出てきた。エネルギッシュで刺激の多い大都市で4年間、そこでパリとNYを行き来しているフランス人のアーティストに出会って、話を聞いているうちにパリに惹かれた。
1996年にパリにやってきてすぐに相性を感じた。英語の先生をしてお金を稼ぎ、語学学校に通いながら絵を描いた。
『夢の胃袋』
僕の絵のベースはこのカルネ(手帖)なんだ。どこに行くときも持っていく日記。思い浮かんだデッサンを描き、目に止まったテキストをコピーする。それらが見えない糸で繋がっていく。僕は『夢の胃袋』と呼んでいる。食べて消化して、そこから僕の表現が生まれてくる。
カルネには自分で課した決まりが2つあって、
1. 肌身離さず持っている
2. 一旦ページを終えたら、もう触らない。
一日で次のページに行くこともあるけど、1週間かかることもある。それは・・・何ていったらいいだろう・・・傷口のようなもの。ひとつ傷口が開いて、イメージが生まれる。自分でも何が出てくるかわからない。傷口が閉じたと感じたら次のページに行く。
テキスト?読んでいる本から抜粋だったり、新聞で目に留まった一文だったり、それを並べ替えたり、自分で書き直したり、でも結局、絵で塗りつぶされてしまうこともあるけどね。
カルネは今68冊目
出てくるイメージ?夢や無意識の断片や、好きな中世(『ロード・オブ・ザ・リング』とか大好き)のイメージ、2つの言語の間で暮らしているってことも影響している。いろんなものが混沌となって絵になる。そこから出発してタブローを描いたり、カルネのページを破ってそのまま売ることもよくある。その場合、コピーをとって補充しておくんだ。ページには裏側もあるから、1枚買って2度楽しめる(笑)!
「全部描ききってしまわないで、少し“空白”を残すのが好き」とマルキュス。見た人の中で自己増殖する余地があり、それで彼の絵は印象に残るのだろうか?
マルキュスは目下、生まれ故郷のリトル・ロックで個展があり、アメリカに帰っている。「パリで仕事することで、アメリカの扉が開いた」そう。パリにいるときは毎週日曜日の午後14-18時、アトリエで“お茶の時間”をやっていて、友達や画家志望の学生が訪れる。
関連リンク:
http://www.marcusmcallister.com/
http://paris.blog.lemonde.fr/2006/
08/11/2006_08_marcus_mc_allis
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