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「今まで一度もフランスを好きと思ったことはない」という鮎美さん。パリの有名モード学校、スタジオ・ベルソー卒業後、有名メゾンに次々とイラストが採用され、気がつけば、フランスのモード界の真っ只中にいた。
ピュアでふわふわと柔らかい雰囲気は、植物や動物をモチーフにした彼女のイラストと一緒。今年で26歳。
フランスへ来たきっかけ:
鮎美さんがフランスに来たのは、今から5年前。とはいえ、もともとはイギリスが大好きで、フランスに来るなんて夢にも思っていなかった。ロンドンの有名なファッションスクール、セント・マーティン・アート&デザイン・カレッジに行きたい!と、高校卒業後、イギリスにまず語学留学。ところが、イギリスで暮らし始めて物価の高さにびっくり。これは無理だと、お隣のフランスへ目を向け、パリのスタジオ・ベルソーで2年間、服飾デザインを学ぶことにした。
イラストへの目覚め:
スタジオ・ベルソーの授業は厳しく、評価はmoche(醜い)かjoli(きれい)のどちらか。作品を引き裂かれる生徒もいたとか。評価が厳しい反面、自由な校風で、授業後の教室をアトリエのように使うことができたので、学校の課題以外にも自分の作品作りに十分時間を費やすことができた。
卒業後は研修期間。この1年は「自分のしたいことを見つけるための期間」と研修先は自分で探した。まず、キャシャレルで3ヶ月。ここで、たくさんイラストを描いた。
進路はモードを選んだけれど、幼い頃は絵が好きでマンガ家になりたいと思っていた。女の人の動き、特に女の人の裸を描くことが好きだったが、思春期になると、裸体を描くことに対して恥ずかしさと、見つかったら怒られるのでは…という恐怖が芽生え、描くことをやめてしまった。が、キャシャレルの研修で「自分は絵を描くことが好きなんだ」と、はっきり再認識する。
次のクロエでは、ブロドリー(刺繍)を担当。刺繍用に描いたパターンがアートディレクターの目に留まり、2007年コレクションのTシャツに採用された。この写真は、雑誌を始め多くのメディアにも掲載された。最後の研修先ニナ・リッチでは、自由に絵が描けるのが楽しくて毎日たくさんの絵を描き続けた。
研修終了後、クロエから電話を受け、フリーランスで仕事をすることになった。これで「イラストを描こう」と本気で決意する。その後も定期的にオファーがくるようになり、今の仕事は順調。最近ではソニア・リキエルのプリントにも採用された。その他、カルチエ財団現代美術館で行われたイベント「ROCK’N’ROLL」、毎年発売されるインテリアデザインやアパレル関係の業界雑誌「テンデンスブック」などへもイラストで参加している。
イラストのアイディア:
イラストのテーマは毎回提示されるので、自分なりに解釈してイラストにする。図書館やインターネットで調べたりもするが、友達や公園で目にした人々など日常生活がアイディアのもと。ぼーっと人を観察するのが好き。たまに夢もヒントとなる。天使が自転車に乗ってやってくる(笑)夢が印象的で、それをイラストにしたこともある。今はプリントなど服飾系のイラストが多いが、絵本のイラストにも挑戦してみたい。
彼と一緒に:
フランスを好きになれない鮎美さんが、なぜフランスにいるのかというと、彼氏がいるから。彼はスポーツ用品のプロダクトデザイナー。研修先を探すときにフランス語の苦手な鮎美さんを熱心に助けてくれたことが、付き合い始めたきっかけ。一緒に暮らして2年になるけど、スポーツ(テニス、ヨガ、ロッククライミング、パラシュート…と行動派!)をしたり、料理を作ったり、いつも一緒。2人で他の国に住んで、いろんなことを試すのが夢。
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