
古めかしい木のテーブルに、真っ白なナプキンが無造作に置かれただけの、一見素朴なビストロ風。しかし黒板の日替わりメニューには、フランス南西部バスク地方の美味しいものが勢ぞろい。三品で30ユーロのコースから、私は前菜にcaille de chevre au piment d’Espelette :アンチョビ風味の野菜の蒸し煮に、ムース状の羊のチーズ、パルメザンチーズのチュイル(薄焼き)がのっかる。まったりとしたコクが後をひく美味しさで、パンがどんどんすすむ。臓物料理に目がない夫は、あっさりヴィネガーソースのかかったCochon de lait a notre facon(乳のみ子豚)をペロリとたいらげた後、parmentier de boudin du Pays basqueを迷わず選択。ブタの血を腸詰にしたソーセージ、黒ブーダンとマッシュドポテトを重ね焼きしたこの一品は、意外と洗練された味わいで、ちょっとした驚きだった。ところでビストロでは、なかなかお目にかかれないソリレス(Sot-l'y-laisse)を発見。こちらは鶏の腿の付け根からとれる小匙1杯大の大きさで、一羽から二枚しかとれない貴重なお肉だ。しかもとびきりの美味しさとあって、いつも取りあいになってしまう。そんなソリレス肉が6枚(若鶏3匹分!)、シンプルに塩、胡椒、エスプレットの唐辛子で味つけされた一品は、外はカリッと、中はしっとりとやわらかく、ジロール、トランペット茸との相性も抜群。さてデザートには、いかにもパリらしいマカロン仕立ての一皿を選んだ。新鮮な桃といちご、バニラクリーム、カリカリのマカロンがサンドされ、甘味と酸味が一体となった幸せな時をむかえる。ふと店内を見回すと、誕生日を祝う家族連れが二組、とはいっても子供たちはリセくらいの年齢だろうか。長年連れ添った老夫婦や普段着の仲間たちが、和気藹々と土曜の夜を楽しんでいる。今度、日本の親がパリはやってきたら、ぜひここへ案内したくなった。ワインは手頃でフルボトルが17,5€~。(Sakiko・L)
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ソリレスとは「アホはそれを残す」の意味だそう
好きな人は病みつきになりそうな味、血入りの腸詰め黒ブーダン
季節のフルーツがたっぷり、マカロンのデザート
古きよき時代のパリを感じさせる大衆ビストロ風
21 rue Francois Bonvin 75015 Paris
Tel:01 45 66 89 00
ランチ 12:00~14:00 ディナー19:30~23:00
Sèvres Lecourbes(6番線)、Ségur(10番線)
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