愛、アムール
Amour

80代の夫婦ジョルジュ(ジャン=ルイ・トランティニアン)とアンヌ(エマニュエル・リヴァ)は静かな余生を送っていた。2人とももと音楽教師で、娘(イザベル・ユペール)も音楽家になっている。ある日アンヌは軽い脳卒中になり、退院してきたときは右半身が麻痺していた。
「また卒中が起きても、もう入院はいや。入院させないと約束してくれる?」
執拗なアンヌの願いをジョルジュは聞き入れる。買い物、食事、麻痺した脚の運動、身の回りの世話にジョルジュは明け暮れる。麻痺は進行し、意識障害も起こってきた。
娘は母親の状態にショックを受け、
「今の時代、もっと有効な看護の仕方があるはずでしょ?!」
「じゃおまえがお母さんを引き取って世話できるのか?介護ホームに入れるっていうのかい?」とジョルジュ。
子供のようになってしまったアンヌに付き添うことがジョルジュの生活のすべてになった・・・

『ピアニスト』『白いリボン』などで人間の隠れた“悪”をテーマにしてきたミヒャエル・ハネケが、善(愛)を取り上げる。
シナリオもいいし、夢幻的な美しいシーンがいくつか。何より伝説的名優がカップルを演じるので話題になった:ルルーシュの『男と女』で世界的に有名になったジャン=ルイ・トランティニアン、アラン・レネの『Hiroshima mon amour/二十四時間の情事』の“彼女”、エマニュエル・リヴァ(知らない人が多いはず!)
映画は2人のアパルトマンの中だけで展開し、観客はその中にいるような気分になる。古い家具やカーテンから、2人の過去の重さが伝わってくる。
2012年カンヌ映画祭パルム・ドールの『愛、アムール』は“観たら落ち込みそうな”作品ではなく、教訓的でもない。
私たちがいつかは立ち向かう“老い”“依存”に疑問を投げかける傑作。
フランスではこの作品を“愛の物語”ととる人と“いや忍従の物語だ”と言う人に分かれている。

Amour

Michael Haneke監督作品
ジャン=ルイ・トランティニアン、エマニュエル・リヴァ
イザベル・ユペール
2時間7分

愛、アムール | Amour” への5件のコメント

  1. ピンバック: 12月14日:ゴールデン・グローブ賞、フランス期待の星 | フレンチ・コード french-code

  2. 先週主人と観ました。ごく普通にこの先に待っている状況生活が非常に丁寧に描かれていてすごいリアリティでした。観終わった後もセリフやシーンの伏線や暗示が随所にしこまれていて素晴らしいです。
    ハネケ監督ってすごいですね。

    • 細部まで、そして深いところまで観られたんですね。
      確かに、後々まで余韻の残る作品です。

  3. 内容が暗そうなので旅先バンコクで見ました...んんんん大好きな両親の死も経験、さぞかし泣ける映画だろうと思いましたが何と涙目になるシーンが無かったのは私だけでしょうか??
    全員が自分勝手に見え大事なemotionが感じられず残念。。。

    • 泣かなかった人、多いと思います。過酷な現実を突きつけられた、という印象でした。

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