ディーパン
Dheepan

内戦のスリランカからフランスに亡命しようとするタミル人ディーパン。家族のほうが受け入れられ易いという理由から、見ず知らずの女性を“妻”に、内戦で両親を亡くした9歳の少女を“子供”にして家族を構成する。

ディーパンは実は内戦の戦士だったが、アイデンティティを偽って国を出た。
フランスにたどり着き、言葉もしゃべれず、赤の他人と家族のふりをする生活。闇の日雇いから、彼はパリ郊外の団地で管理人の仕事を見つける。“妻”ヤリニは近所の病人のヘルパーとして働き出す。学校の特別クラスに通う少女だけがフランス語を覚えていく。

団地にムショ出の男が戻ってきた。足首にGPSブレスレットをつけている。間もなく地元のチンピラ団の抗争が始まった。隠していたディーパンの闘争心がムクムクと頭をもたげる・・・

『預言者』 『君と歩く世界』など、暗く重苦しい世界で変わっていく人物を描くのが得意なジャック・オーディアール。今度は“難民”という非常に時事的なテーマを取り上げた。
前半は、タミル人偽家族が、フランスでなんとか生活していく様を淡々と追っている。ムショ帰りの男を中心に抗争が始まると、銃弾が飛び交う世界になる。後半はあまりオディアールらしくなく、前半と違和感がある。

今年のカンヌ映画祭でパルム・ドールを取った作品だが、この作品が賞に値するかは意見が分かれた。かって『預言者』『君と歩く世界』がギリギリのところでミヒャエル・ハネケにパルム・ドールを持っていかれたので、これまでの功績への賞ということに。それで受賞のスピーチ、「ミヒャエル、今年は映画を作らないでくれてありがとう」になった。

Dheepan

ジャック・オーディアール監督作品
主演:Antonythasan Jesuthasan, Kalieaswari Srinvasan, Claudine Vinasithamby
1時間54分