Ni le ciel ni la terre
天も地もなく

2014年、アフガニスタン。
フランス軍撤退が近づき、ボナシユー大尉の小隊は、パキスタン国境の谷、Wakhanを監視する使命を受けていた。
ボナシユーはその名前、アンタレス(星)のように、やる気に燃えるキャプテンだ。
最初は犬がいなくなった。殺伐とした荒野で迷ったに違いない。
次いで夜の見張りの2人がいなくなった。
敵に誘拐されたのでは?ボナシユー大尉は村人たちを詰問するが、何もわからない。
間もなく3人目、そして4人目が行方不明になる。兵士達は谷を探し回るが、何の手がかりも得られない。
残った兵士達の間に不安が広がる。ボナシユー大尉は彼らの士気を高めて任務をやり遂げようとするが、広大な谷、見えない敵・・・次第に自分を失っていく。

“目に見えないもの”を撮ろうとする監督、クレモン・コジトールは若干32歳。赤外線サーモグラフィで撮った兵士達は、時に亡霊のように見え、生と死の境目で生きる兵士達の心象と重なる。
天と地の間、生と死の間。死の、敵への恐怖、自分の感覚がおかしくなる恐怖・・・戦地で起こる不可解な現象を通して、戦争とは何かを描く傑作。

ボナシユー大尉役のジェレミー・レニエがいい。当たり役。日本では『最後のマイ・ウェイ』(2012)『少年と自転車』(2011、息子を見捨てた父親役)などが公開されている。

Ni le ciel ni la terre

クレモン・コジトール監督作品
主演:ジェレミー・レニエ、ケヴィン・アザイス、スワン・アルロー
1時間40分
フランスで公開中