世界遺産の町、プロヴァン
Provins

週末旅行というと、ノルマンディやロワール河沿いが思い浮かぶけど、灯台下暗し!パリの周辺も侮れない。例えば、ユネスコ世界遺産にも指定されていて、小サイトでも紹介している中世の町、プロヴァンにいってみよう!


パリから車で1時間半、電車だとパリ東駅からトロワまで一日何本か出ている。
町に近づくと、インパクトある塔が現れる。あれがトゥール・ドゥ・セザール、つまりシーザーによって建てられたといわれる塔だ。たしかに、プロヴァンの歴史は古代ローマ時代まで遡る。
この塔は、町がのっとられたときのシェルター、見張り場所、そして牢獄というマルチな役割を持っていた。鐘楼のある塔の頂上からの眺めは素晴らしい。中世の姿がそのまま残る(かどうか、中世に生きたわけではないので定かではないけど、時代にそぐわないものが一切ない)風景は、歴史映画に入り込んだような気分になる。

プロヴァンで特筆すべきは、他の歴史的観光名所のように、お土産物屋や食べ物屋が林立していないこと。シーザーの塔のミニチュアもなく、そういえばオフィス・ド・ツーリスムのお姉さんが中世の格好をしているぐらい。せっかくのタイムスリップを台無しにする俗な光景がないのはとても気持ちいい。
といっても観光地の弊害がないわけではなく、お昼に入ったクレープ屋はびっくりするほどまずかった。ハムとチーズと卵を入れたクレープを、これだけまずく作るのも大変だろう。どうせ1度しか来ない観光客だから何を出しても大丈夫、という観光地レストランのモットーが貫かれている。このクレープ屋は教会の対面にあるので避けて通られること。

さて11世紀に建築が始まったという教会は、資金難のために建築が途中で打ち切られ、スッパリ切られたような形になっている。教会前の広場に十字架が立っていて、お金があればそこまで大きくなるはずだったことがわかる。
旧市街を囲む城壁はきれいに修復されているが、お堀のあとに雑草が茂っている。日本人なら「夏草や、つわものどもが夢の後」という芭蕉の句が思い浮かぶ光景だ。

旧市街に見所が集まり、一日で中世が味わえる。プロヴァンはこの他に中世の地下道(souterrains)も必見らしい。「あの階段のぼるの?」と怠惰な私たちはパスして、後から一見の価値ありと聞いて悔しがった。大した階段ではなかったし、どうぞ後悔のないように!