コンテ、ボーフォール
アルプス山岳地帯

かの美食家ブリア・サヴァランに「チーズのないデザートは片目のない美人と同じである」といわしめたチーズ。一つの村に一つのチーズがあり、その数は400種類とも600種類ともいわれる。フレッシュ、白カビ、青カビ、シェーブル、ウォッシュ、セミウォッシュ、セミハード、ハードなどタイプも様々。毎日食べ比べても1年では食べきれそうにない。また、食べ頃は種類や熟成期間によっても違う。
フランスに来たら、スーパーのパック売りではなく、チーズ専門店に行くのが断然いい。食べる日を伝えれば、店のムッシュやマダムが真剣な面持ちで、選んでくれるだろう。地方に行けば郷土料理にあう土地のワインを選ぶように、チーズも同じ。地方に行ったら、その土地のチーズを試してみよう。

シリーズでご紹介するフランス各地チーズの旅。初回はアルプスの山岳地帯。代表格はコンテやボーフォールといった、硬質のチーズだ。

コンテ、ボーフォール | アルプス山岳地帯

左上から時計回りで、アボンダンス(Abondance, ハードタイプなのにしっとりとしてナッツの香りがする)、ボーフォール(Beaufort, ほっくりと栗のような旨みで滋味がある)、コンテ(Comté, 熟成期間により旨みが変わる。若いコンテはフルーティ、年を追うごとにコクと香りがでて風格が増す)、ルブルション(Reblochon, お餅のように柔らかな身、ミルクの香りが凝縮された味わい)、グリュイエール(Gruyère, 癖がなくグラタン、キッシュ、クロック・ムッシュなど、あらゆる料理に活用できる)、トム・ドゥ・サヴォア(Tomme de Savoie, 脂肪分が少なくさっぱりしているが深いコクがあり、やみつきになるかも)

コンテは子供から老人まで幅広く愛されるチーズの王様。熟成期間が異なるが、人気の4ヶ月や6ヶ月のコンテは、フルーティでナッツの香りがする。ぜひ試して欲しいのは2年もの。ワインが欲しくなる深い味わいだ。
これらのチーズはサヴォア地方の名物料理フォンデュに欠かせない。専用の鍋を食卓にセットし、溶かしたチーズにパンをからめてフーフー言いながらいただく。
ゆでたじゃがいもにチーズをのせて、専用のプレートで温めるラクレット、炒めたじゃがいも、玉ねぎ、ベーコンの上に、ルブルションというまろやかなチーズをのせたオーブン料理・タルティフレットも人気。
どれも栄養価が高くカロリーたっぷりなので、付け合せはグリーンサラダで十分。
翌日は山小屋を飛び出して、スキーをしたくなる料理だ。

サヴォア風フォンデュ

コンテ、ボーフォール | サヴォア風フォンデュ材料

【4人分】
コンテ250g、ボーフォール150g、グリュイエール200g、辛口の白ワイン(サヴォア地方産が理想)1/2本、キルシュ大さじ1〜2、パン(田舎パンなど、なるべく平たく皮の面積が多いもの)、ニンニク1片、片栗粉大さじ1、コショウ

作り方

  1. パンはキューブ状に切って乾かしておく。どのカケラにも皮がつくように切る。
    (フォンデュ鍋をする数時間前にすませておくとよい)
  2. 三種類のチーズを角切りに切り、片栗粉をまぶす。
  3. フォンデュ鍋に半分に切ったニンニクをこすりつけ、香りづけする。
  4. 白ワインを鍋に注ぎ、アルコール分を飛ばす。
  5. 鍋にチーズを入れ、たえずかき混ぜる。チーズが溶けたらキルシュを加え、コショウをふる。
  6. ごく弱火で、フォークにパンをさしチーズをからめてアツアツをどうぞ!

* チーズはお好みで2〜3種類を。エメンタール、ゴーダなどもフォンデュ向きです。

チーズスフレ

コンテ、ボーフォール | チーズスフレ材料

【4人分】
牛乳250cc、卵黄3個、卵白4個、バター30g、小麦粉大さじ2強、おろしグリュイエール100g、塩、コショウ、ナツメグ

作り方

  1. 小鍋にバターを溶かし、木杓子を使って小麦粉を焦げないよう炒める。
  2. 弱火で牛乳を少しずつ流し込み、グリュイエールチーズを加え、塩、コショウ、ナツメグを振り、火から下ろす。
  3. オーブンを180℃に点火。
  4. 2のあら熱がとれたら、卵黄を一個ずつ加えながらよく混ぜる。
  5. ボールに卵白と塩一つまみを入れ、かたく泡立てる。4のスフレ液を大さじ2杯分加えなじませる。そして残りも加え、卵白の気泡をつぶさないよう優しく合わせる。
  6. 耐熱容器にバターを塗り、5をそっと入れる。オーブンで約20〜30分焼く。表面にうっすら焼き色がついたらできあがり。

* 青カビのロックフォールやヤギのチーズを使って、よりオリジナルなスフレに挑戦するのもおすすめ。