シェーブルチーズ
ロワール地方

春の陽光を受けて厚手のコートを脱ぎ捨てる頃、旬になるのがシェーブルチーズだ。ヤギ独特の香りが苦手な人もいるけど、牛乳からできるチーズとはひとあじ違う繊細な持ち味。熟成期間によって、豆腐のようにやわらかいフレッシュなものから、ドライなものまで硬さは様々。見た目も表面が灰で覆われたもの、タイム、クミン、あさつき、エシャロット、干しブドウをまぶしたものまでバラエティーに富んでいる。

優美な古城の点在するロワール地方は、フランス一のシェーブルチーズの生産地。現在、AOP(チーズ、バター、ワインなど、優れた酪農品や農産物を厳しい規定で定めた制度)に格付けされたチーズは約43種類。そのうちシェーブルは11種で、5種がこの地方から生まれている。

クロタン・ド・シャビニョールはミルクのコクと爽やかな酸味のバランスがほどよい、シェーブルチーズの代表格。これをパンにのせ、オーブン焼きした「温かいクロタンのサラダ」は、パリのカフェの定番メニュー。セル・シュル・シェールは表面が木炭の粉に覆われているが、中は真っ白。ほどよい塩気と、かすかな甘みでヘーゼルナッツの香りがする。ヴァランセも表皮は灰色で、中身は真っ白。熟成とともにコクと香りが増し、味わいに奥行きがでる人気もの。プリニー・サンピエールはピラミッド型の頭がとれた風貌。クリーミーで木の実のフレーバーを感じる。サント・モールは白カビに覆われた筒型。むっちりとした食感にマイルドな味わいで食がすすむ。好みの厚さにカットして、くるみ、レーズンをあわせ、サラダにトッピングするのもおすすめ。

同じチーズでも熟成期間によって印象は変わるので、いくつかを買って食べ比べしてみるもいい。味の違いがはっきりするから。きりっと冷やしたロワールの白ワイン、ヴーヴレイやサンセールとの相性ばっちり。春から秋にかけて、その魅力が開花する。

温かいシェーブルチーズのサラダ
材料

【2人分】
シェーブル(クロタンなど)1個、食パン(もしくはバゲットや田舎パンの薄切りなど)、はちみつ、サラダ(お好みでレタス、トレビス、ほうれん草の若葉、メスキュランなど)、ドレッシング:オリーブオイル大さじ2(あれば半量をくるみオイルに)、ワインビネガー大さじ1、塩、コショウ

作り方

  1. オーブンを220℃に点火。
  2. オイル、ビネガー、塩、コショウをかき混ぜ、ドレッシングを用意する。サラダはよく洗って水気を切り、あえる。
  3. パンをトースターで少々焼く。シェーブルチーズは丸型のまま、薄くスライスし、パンの上にのせる。
  4. オーブンの温度を180℃〜190℃に下げ、3を入れ、約5分グリルする。熱いうちにはちみつをたらし、サラダを添える。

シェーブルチーズのグジェール

シェーブルチーズのグジェール
材料

30個分
シェーブルチーズ60g、グリュイエールチーズ120g、卵5個、小麦粉 250g、バター125g、水250cc、牛乳75cc、塩小さじ2、砂糖ふたつまみ

作り方

  1. チーズはそれぞれおろしておく。(市販のおろしチーズでも可)
  2. 鍋に牛乳、水、バター、塩、砂糖を入れ火にかけ、沸騰させる。火を弱め少しずつ小麦粉を加え、たえず混ぜ続ける。(約10分)
  3. 火を止めシェーブル、グリュイエールの半量を加える。卵を一個ずつ加えながら、混ぜ続ける。絞り袋につめる。
  4. オーブンを230℃に点火。天板にパラフィン紙をしき、3を3〜4cmに丸く絞りだす。グジェールは焼くと膨らむので、間隔をあけて置く。グリュイエールの残りを上に飾る。(時間がない場合は、スプーンで丸く置いていってもよい)
  5. 230℃で約8分、温度を180℃に下げて約20分、表面がキツネ色になるまで、しっかりと焼く。

* グジェールはシュー生地にチーズを混ぜこんだ、塩味系のおつまみ。アペリティフにどうぞ。