乾燥豆
Haricots secs

和食が繊細でヘルシーな料理として定着し、菓子業界では青木定治が抹茶やごま、きなこを使った和素材の菓子でブームを作った。ピエール・エルメはわさびや柚子入りの革新的なお菓子を発表した。今やパリでも最先端の和テイストだが、案外受けないものがあるのも事実。たとえばあずき系のお菓子が、その代表だ。お土産に老舗の羊羹を抱えていっても、心から喜ばれたことがない。フランス語であずきはHaricot rouge(赤いんげん豆)、チリコンカーンの金時豆と同じ訳である。

そもそもフランスには料理自体に砂糖を入れる習慣がないから、「甘く煮た豆」に抵抗感を持つ人が多いようだ。こちらの豆料理は、ほとんどがSalé(サレ:塩からいの意)である。乾燥豆では白いんげん豆を筆頭に、赤いんげん豆、緑豆、そら豆、ライ豆など、数多く出回っている。日本で白あんに使う白金時のような大粒の品種Cocoは、ソーセージ、鴨やガチョウのコンフィと煮込んだ「カスレ」、豚肉版のポトフ「ポテ」に欠かせない。ほっこりとした優しいうまみが身上だ。粒が小さくほくほくした食感のフラジョレFlageoletは、仔羊料理の定番の付け合せ。とくにビタミン、鉄分、リンが豊富で栄養満点のレンズ豆は、豚塩漬けの煮込み「プチ・サレ」やポタージュ、サラダに。中近東や北アフリカ料理に登場するひよこ豆は、クスクスを筆頭に、すりつぶしてコロッケ状にした「ファラフェル」、ごまとオリーブオイルをきかせた「フムス」に欠かせない。

パリで珍しい乾燥豆を探すなら、穀物屋graineterieを覗いてみるといい。あらゆる種類の豆のほか、穀類、ナッツ、スパイスが量り売りされているので、お土産にしてはいかがでしょう。

鶏のクスクス

鶏のクスクス
材料

【6人分】
鶏のもも肉1.5kg、にんにく2片、
玉ねぎ大1個、ニンジン1本、 ズッキーニ2本
オリーブオイル大さじ2、チキンブイヨン1個、
トマトピューレ大さじ2、ベイリーフ1枚、
スパイス類(しょうがパウダー2つまみ、
シナモンパウダー1つまみ、サフラン1つまみ)
塩、コショウ

付け合せ:ひよこ豆300g、ほしぶどう150g、
コリアンダー、パセリ、ハリッサHarissa

クスクス粒:クスクス400g、熱湯400cc、
バターかオリーブオイル大さじ1杯、塩1つまみ

作り方

前日の下準備:ヒヨコ豆を一晩水につけて戻す。
1. 鶏肉は塩、コショウし、にんにく、玉ねぎはみじん切りに、ニンジン、ズッキーニは大きめに切る。
2. 鍋にオリーブオイルとにんにくを入れ、香りがでてきたら、玉ねぎ、鶏肉、にんじん、ズッキーニの順に炒め、塩、コショウする。水をひたひたに注ぎ入れチキンブイヨン、トマトピューレ、ベイリーフ、スパイス類を加え、約1時間、弱火でコトコト煮る。
3. 付け合せを作る。ほしぶどうは熱湯につけ柔らかくし、コリアンダーとパセリはみじん切りにする。ひよこ豆は柔らかくなるまで、じっくり約20分煮る。
4. 耐熱容器にクスクスを入れ、熱湯を注ぐ。塩、バターかオリーブオイルをなじませ、ラップをして、しばらく置いて蒸らす。その後、ぱらぱらになるように、フライパンで炒ってもいい。
5. 付け合せのほしぶどう、ひよこ豆、コリアンダーとパセリのみじん切り、ハリッサをそれぞれ別皿に盛る。
6. スープ皿にクスクス、肉と野菜を盛り、スープをたっぷりかけまわし、つけ合わせをトッピングする。

レンズ豆の温かいサラダ

レンズ豆の温かいサラダ
材料

【4人分】
レンズ豆 1カップ、
エシャロット1個(または紫玉ねぎ1/2個)、
ニンジン1/2個、ベーコン3枚、パセリ

ドレッシング:
オリーブオイル大さじ3、
白ワインビネガー大さじ1,5、
塩、コショウ

作り方

1. 鍋に湯を沸かし、レンズ豆を入れ約20分、歯ごたえが残るくらいにゆでる。(ゆですぎると煮崩れするのでご注意ください)
2. その間に、にんじんを小さめのさいの目切りにし、軽くゆでる。
3. ベーコンは食べやすい大きさに切り、フライパンでカリカリになるまで炒める。
4. エシャロットはみじん切りにし、水にさらし、ざるにあける。パセリはみじん切りに。
5. ドレッシングを混ぜ合わせ、すべての材料をあえる。

*別にポーチドエッグを作ってのせれば、見た目も華やかな一皿になる。

ピストゥー・スープ

ピストゥー・スープ
材料

【4人分】
白いんげん豆300g、さやいんげん50グラム、
玉ねぎ1個、ニンジン1本、ズッキーニ1本、
完熟トマト2個、小さなパスタ100g

ピストゥー・ソース:
バジルの葉 1枝分、にんにく2片、
オリーブオイル大さじ4杯

作り方

前日の下準備:乾燥した白いんげん豆は、一晩水につけて戻しておく。
1. たっぷりの水に白いんげん豆を入れ、一度沸騰したらアクが出るので汁をすてる。
2. トマトは熱湯につけ、皮をむき、種を除いて刻む。他の野菜は1cm角のサイコロ状に切る。
3. 水2リットルを沸騰させ、白いんげん豆と野菜をいれ、塩、コショウし、柔らかくなるまで煮こむ。
4. その間にピストゥー・ソースを作る。バジルの葉はきれいに洗い、にんにくは芯を除く。ミキサーに入れ、オリーブオイルを加えながら、なめらかなピストゥー・ソースを作る。

*ピストゥーはバジル、にんにく、オリーブオイルをすりつぶしてペースト状にしたプロヴァンス地方のソースで、イタリアではジェノバソースとよばれている。
*野菜はナスやじゃがいも、豆は金時豆など、手に入りやすい素材を使ってください。

仔羊もも肉のロースト、白いんげんのトマト煮添え

仔羊もも肉のロースト、白いんげんのトマト煮添え
材料

【6人分】
仔羊のモモ肉1,5kg
白いんげん豆500g、
ニンジン1本、玉ねぎ3個、
にんにく5片、 スターアニス1個、
ブーケガルニ1個、 完熟トマト5個、
バター30g、
タイム、塩、コショウ

作り方

前日の下準備:乾燥した白いんげん豆は、一晩水につけて戻しておく。
1. たっぷりの水に白いんげん豆、スターアニスをさした玉ねぎ1個、ニンジン、にんにく1片、ブーケガルニを入れ、弱火で煮込む。柔らかくなったら、白いんげん豆だけ取りだす。
2. 玉ねぎ2個の皮を剥き、薄切りにする。トマトは熱湯につけ、皮と種をのぞき、角切りに。にんにく2片をみじん切りにする。別の鍋にバターを熱し、にんにく、玉ねぎを入れて香りが出るまで炒める。たまねぎが透き通ったら、1の白いんげん豆、トマト、タイムを入れ、弱火で約15分、ゆっくりと煮つめる。塩、コショウで味をととのえる。
3. 仔羊もも肉をローストする。オーブンを240℃に点火。肉に小さな切込みを入れ、塩、コショウする。にんにく2片の芯を除き、切り口に詰める。240℃で15分、200℃に下げて20分焼く。オーブンから取りだし、うまみが逃げないよう、アルミホイルに包んで、10〜15分置いておく。
4. 肉を斜めに切って皿に飾り、白いんげん豆のトマト煮を添える。

*仔羊はモモ肉のかわりに肩肉をオーブン焼きしたり、仔羊骨付きの背肉(cotelette)をフライパンでソテーしてもいい。豚肉料理にもぴったりです。